年頭所感― 神戸運輸監理部 兵庫陸運部長 池田 博美 (2/2)
カテゴリ:総合(行政・政治) 2020-12-24配信 |
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事業用自動車の安全・安心の確保について
交通の安全を確保し、安心して利用していただくことは、運輸行政の根幹であり、そのために最大限の努力をおこなうことは我々の使命です、事業用自動車の事故等削減目標としている「事業用自動車総合安全プラン2020」は、本年より次期プランへの移行が計画されており、新プランは「業態別に目標設定」、「新型コロナウィルス感染症拡大に伴う新しい生活様式を考慮した取組」、「2021年の東京オリンピック・パラリンピックそして2025年の大阪万博を控え、世界一安全な輸送サービスの提供の実現」をスローガンとして掲げたものになる予定です。 自動車運送事業者に対する監査、指導につきましては輸送の安全確保に支障を及ぼすおそれのある重要な法令違反の疑いがある事業者及び悪質違反、重大事故を引き起こした事業者に対し、優先的に立ち入り監査を実施するなど監査体制の強化を図り、指導や厳正な処分を行ってまいります。 また、関係省庁や関係機関との連携を強化しつつ、街頭監査の実施やより効果的な監査を実施するとともに、運送事業の安全・安心の確保のため、各事業者における運輸安全マネジメントによる安全管理体制の確立など更なる推進に努めてまいります。 自動車の安全性確保と環境保全、ユーザーの利便性向上について 我が国の自動車保有台数は、令和2年3月末現在で約8,184万台となり、兵庫県においては約303万台超えと全国で9番目の保有台数となっており、経済活動、日常生活においてなくてならない存在となっています。 交通事故の発生状況は、令和元年の交通事故死者数が3,215名と統計を取り始めた昭和23年以来最も少ない数字となったところですが、一方、高齢運転者による交通死亡事故は増加し、中でも、ブレーキ・アクセルペダルの踏み間違い事故が65歳以上で全体の約8割となっており、高齢運転者の操作ミスによる交通事故防止に向けた取り組みが重要となっていますが、これに対しては、先進安全装置を搭載した「安全運転サポート車」(サポカー)の普及促進、自動車アセスメントのPR、先進安全自動車(ASV)の導入に対する支援(補助金申請)対応などさらなる取り組みを進めてまいります。 車は100年前、馬車から自動車へと変革期を迎えましたが、近年はEV、自動運行、ICTを活用したものが登場するなど、新たな変革期を迎えつつあるとされております。目覚ましい発展を遂げる自動車は、その機能維持が重要であり、サポカー等が搭載する「電子制御装置」や自動運転レベル3以上の自動車に搭載される「自動運行装置」を整備するため設備や技術などの要件を整理し、昨年2月から「自動車特定整備制度」をスタートさせました。これらの技術に対応する自動車整備工場の環境整備を推進するとともに自動車整備士の技術力向上に各団体と協力しながら支援してまいります。 自動車整備士の人材については、令和元年度における自動車整備分野の有効求人倍率が4.77倍となっており大変憂慮すべき状態となっております。 各関係団体とともに、「兵庫県自動車整備人材確保育成連絡会」を開催し、これまでに県内の高等学校を訪問し校長先生をはじめ進路指導の先生方に自動車整備士の必要性や業界の魅力を伝えてまいりました。また、新型コロナウィルスの感染状況を見極めながら「自動車整備士職業紹介フェアin神戸」の開催を計画しております。人材確保や女性の活躍推進について今後もあらゆる機会を捉え取り組んでまいります。 自動車の登録業務については、自動車の保有に伴い必要となる各種の行政手続の負担軽減及び行政事務の効率化等を図る観点から導入されましたワンストップサービス(OSS)は、現在、新規登録に限らず中間登録、抹消登録、永久抹消登録の全登録が可能です。兵庫県下における昨年度の新規登録につきましては、OSS申請が(60.91%)と6割を超えている状況ですが、さらなるOSS申請の利便性を図るため、全国で2022年度から導入予定となっております車検証のIC化に向けた取り組みが進められているところであり、さらには規制改革実施計画(令和2年7月17日閣議決定)において、オンライン化を進めるため、行政手続における書面規制・押印、対面規制の抜本的な見直しについて検討が行われております。 これらの取り組みや見直し等により、今後におきましても関係機関・団体等と連携を密にしてOSS利用の促進に努めてまいります。 また、ナンバープレートに関しまして、全国を対象とした東京オリンピック・パラリンピック終了後における新たな図柄入りナンバープレートの導入が現在検討されているところです。 一方、地方に関しましては平成30年10月1日から「自動車を走る広告塔にして地域の風景や観光資源を図柄とすることにより、地域の魅力を全国に発信していこう!」ということを目的として、地方版図柄入りナンバーの制度が導入されており、第一弾として全国で41の地域が、また、昨年5月には第二弾として全国で17の地域が追加され、現在は第3弾を準備中と聞いているところでより多くの地域において導入がなされる予定です。 兵庫県下においてもこれらを活用するなどにより、地域活性化につなげていけるよう引き続き努めてまいります。 おわりに 以上、新しい年を迎え、所信を申し上げましたが、関係団体、関係行政機関の皆様方には、当陸運部の業務になお一層のご支援、ご協力をお願い申し上げますとともに、今年一年の皆様方のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
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