原価意識強化セミナー
カテゴリ:物流 2017-12-18配信 |
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兵庫県トラック協会は11月27日、日本PMIコンサルティング株式会社の代表取締役であり、税理士の小坂真弘氏(以下、小坂氏)による「原価意識強化セミナー」を兵庫県トラック総合会館で行った。
セミナー受講前に、昨年7月1日に施行された中小企業等経営強化法について説明があった。経営力向上計画を主務大臣に申請し、認定されると支援措置が受けられるという法律。生産性を高めるための設備を取得した場合、固定資産税の特例(3年間は2分の1に軽減)や中小企業経営強化税制(即時償却等)など、税制面で支援を受けることができる。その他、金融機関からの資金繰りの支援や、厚労省からの助成金が優先的に採択されなどの支援措置がある。計画は3年から5年を期間とし、運転者の平均労働時間の減少や積載効率の増加、実車率の増加などを5年計画の場合は3%、4年計画の場合は2.5%、3年計画の場合は2%以上を達成すると国土交通大臣が経営力向上を認定してくれる。受講者にも意識してもらいたいと呼びかけた。 次に小坂氏によるセミナーが行われた。小坂氏は冒頭、平成29年11月4日に改正・施行された標準貨物自動車運送約款等に触れた。運賃は現状、運送料の他に仕分けやラベル貼りの作業で発生する附帯業務や積込み・取卸し、荷待ち時間などが含まれており、範囲が不明確となっている。改正後は運送の対価としての「運賃」と、附帯業務や積込み・取卸し、荷待ち時間などの運送以外の「料金」を区別し、明確化される。小坂氏は「この制度が浸透するには5〜10年かかるかもしれない。待機時間は現在の取引慣習上、無料。多くの運送業者では4〜6割が原価割れの仕事を請けている。残りの仕事で収益を上げ、赤字と黒字の抱き合わせの経営を行っている。長距離は赤字というケースが多く見受けられるので、1本1本の仕事について利益があるのか赤字なのかを明確にする必要がある」と述べた。また、拘束時間の問題にも触れ、「ある卸センターで調べてもらうと、運送業者の待機時間は非常に長かった。年間で12億あった。全国で100万台の車が稼動しているとして、平均原価を1時間あたり4000円、稼動時間が250時間とすると、運送業の機会損失は1年間で1.5兆円。10年で15兆円になる。ドライバーを100万人と想定すると、一人あたり約140万円の賃金になる」と述べ、適切な運賃を算出することにより納得のいく賃金をもらう必要があると受講者に呼びかけた。セミナーでは、1時間あたりの原価計算が実践された。また、原価をもとにした生産性向上や運賃交渉についても指南があった。
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