年頭所感─神戸運輸監理部兵庫陸運部長藤本実

地域公共交通の確保・維持について

地域公共交通の活性化・再生については、自治体や各エリアに適した交通環境の構築・維持を図るため、県内各自治体首長などとの情報交換、意見交換などを行うとともに、「地域公共交通確保維持改善事業」「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」などに基づき、引き続きバス路線をはじめとする生活交通の確保・維持・改善に向けた取り組みを支援するとともに、地域を支える公共交通機関の充実に努めてまいります。

併せて、バリアフリー関連については、引き続き、「バリアフリー法」の基本方針に基づくバリアフリー化を推進するとともに、高齢者など移動に制約のある方々に対する理解の醸成を図る観点から、小中学校などでバリアフリー教室を開催し、「こころのバリアフリー」を広めてまいります。

交通運輸サービスの発展・利便性の向上について

自動車運送事業のうち、乗合バスについては、地方部における人口減少・過疎化、少子高齢化による輸送需要の減少が止まらず、依然として経営環境が大変厳しい中でも「地域再生・活性化」の要となっているところです。引き続き、地方公共団体が主導する地域全体を見渡した公共交通ネットワークの確保、維持に努めるとともに、昨年では「バス旅ひょうご」や「高速バスのＩＣカード導入」等に代表される利用促進の取組を支援してまいります。また、貸切バスについては軽井沢スキーバス事故を踏まえて取りまとめられた「安全・安心な貸切バス運行を実現するための総合的な対策」を受けた道路運送法等、法令・通達改正の周知と円滑な施行に努めてまいります。

タクシーについては、4月に「タクシー革新プラン２０１６」が取りまとめられ、タクシー革新に向けた事業者による自主的な取り組み、国等による適切な運用方針が示されました。また、「シェアリングエコノミー」という新たな潮流が、危機感の中でもタクシー事業者と自治体との連携を深める結果となり、過程において公共交通機関としての認知度も向上いたしました。タクシーを取り巻く環境が激変しているとの認識のもと「タクシー適正化活性化法」特定地域等の事業適正化と併せて、積極的な活性化を支援してまいります。

トラックについては、契約の書面化などの事業の健全化に向けた適正取引の推進を継続するとともに「トラック輸送における取引環境・労働時間改善兵庫県地方協議会」のパイロット事業の推進と取りまとめ及び平成29年度取り組みを通じて、重大な事故につながる恐れのある長時間労働の抑制など労働環境改善への取り組みを進めてまいります。また、深刻化した自動車運送事業における労働力不足の問題については、喫緊の課題として引き続き若年層や女性の労働力活用など官民をあげた取り組みを進めてまいります。

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