ブリヂストン、乗用車「超低燃費タイヤ用ゴム」の技術開発に成功
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独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)のナノテク・先端部材実用化研究開発※1の一環として、株式会社ブリヂストンは、革新的なナノ階層構造設計技術を開発しました。
研究開発では乗用車タイヤ用ゴム材料の各原材料である、ポリマーおよび充填剤等の配置をナノレベルで最適化し、従来の乗用車用低燃費タイヤ用ゴム※2対比でエネルギーロス※3を40%以上低減、耐摩耗性能を25%以上向上するゴムの技術開発に成功しております。 本技術開発を通じて得られた研究成果(評価・解析・予測法)は、今後、株式会社ブリヂストンの材料技術「ナノプロ・テック※4」と融合させ、現在市販されている低燃費タイヤ(低燃費タイヤの転がり抵抗ラベリンググレード※5AA〜AAA相当)対比で転がり抵抗をさらに20%低減したタイヤの開発を目指します。 本プロジェクトでは、NEDOによる支援のもと、株式会社ブリヂストン、JSR株式会社、東北大学原子分子材料科学高等研究機構、九州大学先導物質化学研究所、産業技術総合研究所ナノテクノロジー研究部門が産学官連携のオープンイノベーション研究体制を構築し、世界最高水準の分析、解析、計算、材料技術を融合させることで、目標を達成いたしました。 1.背景 タイヤのライフサイクル各段階におけるCO2排出量を算出すると、「製品の使用段階」が約9割と大半を占めており、タイヤの転がり抵抗低減は、自動車の低燃費化によるCO2排出量削減を通じて、「気候変動」という地球規模の環境問題に対して、大きく貢献できるものと考えています。従来、ゴムによるタイヤの転がり抵抗低減は、主に充填剤の分散状態を制御することにより行ってきましたが、相反する他性能等とのバランスから限界に近づいています。さらなる転がり抵抗低減には、これまでに無い全く新しい観点でのゴム材料の技術開発が必要でした。 2.今回の成果 ゴム材料中の各部材の空間配置をナノサイズで最適化する「三次元ナノ階層構造制御技術」の開発により、株式会社ブリヂストンの乗用車用低燃費タイヤ用ゴム対比エネルギーロス44%低減、耐摩耗性能26%向上に成功しました。研究目標・内容は下図、表の通りですが、具体的には、最適化末端変性ポリマーによるブレンド形態の制御による耐摩耗性の向上と同時に、専用設備による充填剤の配置最適化により、低ロス化を図りました。さらに、加硫※6条件の最適化による架橋網目分布の均一化により、更なる低ロス化を図った結果、低いエネルギーロスと高い耐摩耗性という、相反する特性を同時に備えた革新的なタイヤ用ゴム材料の開発に成功したものです。 |
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