トヨタ自動車株式会社
　トヨタ自動車(株)（以下、トヨタ）は、自動車リサイクル法＊1に基づく、ASR＊2・エアバッグ類・フロン類の特定３物品の2010年度(2010年４月〜2011年３月)再資源化等の実績を公表した。

自動車リサイクル法において、自動車メーカー等は特定３物品の引取り、リサイクル・適正処理の義務を担っている。トヨタは、ASRについては豊通リサイクル(株)に、エアバッグ類およびフロン類については業界共同で設立した一般社団法人 自動車再資源化協力機構に業務委託し、全国における特定３物品の引取り・リサイクル・処理を適正かつ効率的に行っている。

その結果、トヨタの2010年度再資源化等実績は、ASRの引取りが97万台、重量にして21万トンで、うち18万トンを再資源化した。ASR再資源化率は通年で約85％となり、07年度より継続して2015年度法定基準70％を大幅に前倒しにて達成、車両のリサイクル実効率＊3に換算すると約97％の結果となった。
（ASR再資源化率推移；2005年度57％、2006年度66％、2007年度76％、2008年度80％、2009年度81％）

さらに、エアバッグ類の引取りは56万台(180万個)で、回収での再資源化率は94％と、法定基準85％を上回る水準を確保した。フロン類についても適正に破壊処理を行った。
(各実績の詳細については別紙参照)

なお、トヨタが特定３物品の再資源化等に要した費用総額は、社内のシステム関連費、専任人件費を含めて94.3億円となり、資金管理法人から払渡しを受けたお客様からの預託金総額99.6億円を5.3億円下回った。これにより、自動車リサイクル法施行後の2004年度からの累計収支は16.1億円の赤字から10.8億円の赤字に減少した。今後も中長期で収支のバランスが取れるよう取組んでいく。

トヨタでは、Car to Carリサイクルの観点から1998年に豊田メタル(株)に世界初となるASRのリサイクルプラントを設置し、ASRから新車の防音材(RSPP＊4)等へのリサイクルを長年にわたり推進、RSPP搭載車両の累計台数は2010年度に2,000万台に達した。
今後も引続きリサイクル実効率95％以上を確実に維持するとともに、より高度なリサイクルの実現に向けさらなる努力をしていく考えである。

＊１． 正式名称は「使用済自動車の再資源化等に関する法律」
＊２． ASR：Automobile Shredder Residue (自動車シュレッダーダスト)
＊３． 解体・シュレッダー工程までで再資源化される比率約83％（03/5合同審議会資料より引用）に、残りのASR比率17％とASRリサイクル率 約85％を乗算したものを合算して算出
＊４． RSPP：Recycled Sound-Proofing Products