自動車ニュース
年頭所感― 一般社団法人 大阪タクシー協会長 坂本 栄二
会員各位のご意見を伺い
協会一丸で取り組む

新年あけましておめでとうございます。年頭にあたりまして謹んでご挨拶を申し上げます。

昨年も新型コロナウィルス感染症がおさまらず、まだまだ完全なる終息が見えない中、急激な円安や物価高騰を受けるなど経済環境も厳しく、タクシー事業におきましても依然として厳しい状況は続いております。

一方で、行動規制は行わないとの政策により、様々な行事の再開とともに旅行支援やインバウンドの解禁など少しずつではありますが、人の動きがみられる状況も生まれるなど明るい兆しもあります。

そのような状況の中におきましても、これまで全タク連とともに、政府・国への繰り返しの支援要望や与党・野党のタクシー議員連盟にも繰り返し要望を行っており、大阪におきましても各政党、特に大阪維新の会との初めての懇談を行うとともに要請を行ったところでございます。その成果として、事業者への経営助成、資金繰り支援、雇用調整助成金の延長などと併せ、道路運送法をはじめとする関連法の弾力的な運用によりまして、事業継続に向けた支援措置がを実現しております。

また、コロナ禍での地方創生臨時交付金の活用につきましては、近畿運輸局とも連携を行いながら、各事業者様のご協力のもと、各自治体への要望を行なっております。

大阪府におきましても、支援要望の効果がみられ、令和3年度予算での感染防止対策に係る支援補助に続き、燃料高騰等による支援措置が実施されるなど、他の自治体でも経営助成、妊産婦・高齢者などに対するタクシーチケットの活用や感染防止対策支援などの一定の成果がありました。

今後とも、国、自治体の予算などにも注視をしながら、必要に応じて取り組みを進めていくことが重要になっております。

タクシー事業の最近の動きとしては、東京の運賃改定を受け、全国的にも運賃改定の機運が盛り上がっている中、大阪におきましても、11月には運賃改定(値上げ)にむけた動きをスタートいたしました。改定の理由につきましては、労働環境の改善、燃料費高騰、配車アプリやキャッシュレス決済などの先行投資など、忘れてならないのは利用者サービスの改善であり、公共交通への役割を果たすということであります。併せて、遠距離割引につきましても、過度な割引については是正する必要があるという観点からも運賃改定と併せ是正する機運が高まっております。

あとは各社の経営判断に任されることになりますが、生産性の向上を図るうえにおいても、早期の運賃改定や遠割是正についても期待をするものでございます。
その他、当協会が抱える課題として、「労働条件の改善、働き方改革の実現」「運転者職場環境良好度認証制度」「改善基準告示の見直し」「労働力の確保」「地域交通の推進」「コロナ後の訪日外国人向けのタクシーサービスの向上」「ケア輸送の推進」「交通事故防止及び輸送秩序の確立」など、いずれも重要な課題であり、会員各位のご意見等を伺いながら、協会一丸となって取り組んでいく所存でございます。

本年も、円滑な協会運営に努めてまいりますので、会員各位のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、新型コロナウィルス感染症の早期終息と皆様方のご発展と安全を祈念申し上げまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。