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年頭所感― 神戸運輸監理部 兵庫陸運部長 山名 生也 (1/2) |
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防災・減災対策が重要 感染防止と経済活動の両立へ はじめに 新年明けましておめでとうございます。令和5年卯年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。 新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから既に約3年近くなるものの、第8波とインフルエンザの同時流行も懸念されており、まだまだ油断できない状況下にあると考えております。 皆様におかれましては、ウクライナ情勢や米中対立などの影響により、原油価格をはじめとする様々な原材料費の高騰が続き、交通・運輸・整備分野においても大きな影響が生じておられる中、感染予防に留意されつつ、エッセンシャルサービスを提供し、国民生活の維持にご尽力いただいていますことに心より敬意を表します。 一方、地震・台風などによる甚大な被害は、昨年も免れましたが、「天災は忘れた頃にやってくる」の格言どおり、日頃からの防災意識の向上と地域、職場での防災・減災対策が重要であると強く認識しているところです。 兵庫陸運部といたしましては、これらを踏まえ、新型コロナウイルスに対しては、感染拡大の防止と経済社会活動の維持との両立を持続的に可能としていくため、「新しい生活様式」の経済社会全体への定着と、これまで取組んでいる安全・安心を念頭におき、2025大阪万博にむけ、本県そして関西のさらなる飛躍・活性化にも寄与してまいりたいと考えております。 地域公共交通の確保・維持について 地域公共交通の活性化・再生については、これまでそれぞれの地方公共団体や地域に適した公共交通環境の構築・維持を図るため、県内各地方公共団体の首長をはじめ、交通担当部署および交通事業者と情報交換や意見交換を積極的に行うとともに、地域公共交通会議などへの参画を通じて、地域における移動手段の充実に努めてまいりました。 また、生活交通の維持・確保のためには、地方公共団体が自らの地域における公共交通のあり方を示すマスタープランとなる計画(地域公共交通計画)を策定することが重要であるため、引き続き同計画の策定・更新に対する支援を実施してまいります。 併せて、バリアフリー関連につきましては、引き続き、「バリアフリー法」の基本方針に基づくバリアフリー化を推進するとともに、移動に制約のある方々に対する理解の醸成を図る観点から、近畿運輸局などと連携して小中学校などでバリアフリー教室を開催するなど、ハード面だけではない「心のバリアフリー」を幅広い世代に広めてまいります。 交通運輸サービスの発展・利便性の向上について バス・タクシー・トラックの全ての自動車運送事業は、新型コロナウイルス感染症の終息時期の見通しも立たない中、燃料価格の高騰も重なり、非常に厳しい経営環境が続いています。 そのような状況下、乗合バスについては、路線の維持・確保に向けて補助等による支援を行っているところですが、特に地方部において少子高齢化に伴う人口減少によって交通空白地が増加しており、利用者が減少しています。しかし、地域の足を維持・確保していくには乗合バスは必要不可欠であり、将来に向かって持続可能な地域公共交通ネットワーク形成のためにも、地方公共団体と連携し、乗合バス事業者の生産性向上の取り組みに対し、必要な助言を行ってまいります。 また、貸切バスについては、外出抑制や訪日外国人旅行者の入国規制により大きな打撃を受けましたが、入国規制が緩和され、円安の影響も重なり回復傾向にあります。約7年前に発生した軽井沢スキーバス事故を踏まえ再発防止策としてとりまとめた「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」、信頼回復への一歩として始動いたしました「貸切バス許可更新制度」、「適正化実施機関事業」等の着実な実施と周知をさらに進めてまいります。 タクシーについては、神戸市域交通圏、東播磨交通圏の準特定地域指定期限が3年間延長されました。準特定地域計画の確実な実施により、事業適正化とあわせてタクシー需要の喚起につながる取組みの積極的な活性化、経営環境の改善等を図ってまいります。 トラック事業においては、乗務員不足が深刻な状況であり、令和6年度からの時間外労働の上限規制が適用されれば、ますます深刻になりこのままでは現状の物流サービスが提供できなくなるおそれがあります。トラック運送業が将来にわたってその機能を維持していくためにはトラック輸送の生産性向上、物流の効率化、誰もが働きやすい労働環境の整備にトラック事業者と荷主が協力をして取組んでいく必要があります。 運転者の労働条件の改善や法令を遵守し、持続的に事業をおこなっていく際の参考となる「標準的な運賃」の届出が県内のトラック事業者からなされているところであり、荷主との運賃交渉を行い適正運賃収受ができるよう、引き続き荷主へ理解と協力を求めてまいります。 また、今般の燃料価格の上昇分についても、トラック事業者のみがその負担を抱えることがないよう、燃料サーチャージ運賃の届出を促進するとともに、荷主に対して適正な運賃による運送契約を行うよう理解と協力を求めてまいります。 |