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労務リスク管理のWEBセミナーを開催 |
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「時間管理が生き残りの重要ポイント」宇野氏 日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会(迫慎二会長)は2月22日、新型コロナウイルスの感染防止のため、WEBにて第2回セミナー「コロナ禍における運送会社の労務リスク管理2〜最近の未払い残業代請求とその対策〜」を開催した。講師には、運送業特化型コンサルティング会社の株式会社ブリックス代表取締役宇野栄一氏を招いて資料に沿って行われた。 セミナーを開催する背景としては、近年トラック会社を取り巻く経営環境は、大変厳しくなっている。従業員が、未払い残業代を遡って会社に請求できる期間を延ばす改正労働基準法が2020年4月に成立(経過措置あり)した。請求できる期間が延びると、従業員はより多くの未払い賃金を請求できることになる。最近の傾向としては、請求者側の弁護士もノウハウを蓄積し、請求額も高額化してきた。また、大手弁護士事務所も本格参入しており、運送会社が狙い撃ちされている状況だ。このセミナーでは、最近の未払い残業代請求とその対策について解説した。 開催冒頭、日本ローカルネットワークシステム協同組合連合会で理事を務める緒方好一氏は「「最近の未払い残業代請求とその対策」と題しております。ドライバーの雇用を維持すること、皆さんの会社を守るためにこの未払い残業代請求を発生させないようなやり方を考えてお話をいただき、ドライバーの皆さんの雇用を維持して会社を守るために未払い残業代が発生しないように対策を講じていきます」と挨拶した。 講師の宇野氏からの解説では「運送会社は2つの事業リスクに直面している。1つは未払い残業代請求等の労働問題。ここ最近、1人当たりの請求してくる金額が高額化し、請求される運送会社の数も頻度が上がっています。これが最近の特徴です。この理由は、弁護士事務所は運送会社をターゲットに絞って集中的に請求してきているというのが1つの理由ですね。2つ目のリスクとしては、国の規制強化という部分で、安倍内閣の働き方改革から始まって過重労働の防止という意識の発案。現状長時間労働をさせている業種はおそらくもう運送会社以外残ってないと思います。国も運送会社をターゲットに絞って、運送会社に対する規制の強化をやっていく。法律が厳格になり、罰則も厳罰化の傾向にあります」と近年の事業リスクについて述べた。 また、今後どのような運送会社が生き残れるのかについて「運送会社では、時間管理が必須になってくる。未払いをやられるときも時間管理をやっておくと、助かることがあります。労働と運行の時間管理は国から求められているところであり、特に2024年および2023年の改善基準告示の改正これに向けて、運送会社も時間管理をやることが非常に、生き残りの重要なポイントになる。ドライバーの残業時間を数字で答えられる運送会社はほぼいない。これは非常に危険極まりない状態ですので、特に運行の時間については改善をしなければ、国の規制に引っかかってしまうので、拘束時間を縮めていき、まず現状把握した上で、まずは自社で直せる部分を直していくということ」と述べた。 最後に未払い残業代について「弁護士の選定が最も重要になってきます。相手から内容証明が来ると、こちらも弁護士を立て、弁護士を窓口にし、相手弁護士と話をしてもらいます。相手が運送業に強い弁護士ですので、こちらの弁護士も、運送業に精通している弁護士。相手は運送業に強い弁護士が請求してきていますので、運送業をよくわかった弁護士でないと、大人と子供の喧嘩で負けてしまう」と弁護士の選定の重要性を語った。 |