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近畿自動車無線協会 理事会を開催
「新たな技術との連携が重要な課題」池田会長

近畿自動車無線協会(池田誠也会長)は12月7日、ホテルグランヴィア大阪で、令和3年度理事会を開き、令和3年度事業経過報告、同決算、通常総会の開催、および役員の一部改選など全て承認した。

冒頭挨拶で池田会長は「今後のウィズコロナ拡大の社会の中に、エッセンシャルのサービスとして事業を持続させていくには、一層の経営基盤の強化や様々なサービスの対応がかかせません。全体的な事情現象の中で、無線配車システムをより有効に活用し、需要に合った確実な配車を行うとともに、DXを活用して多様な技術に対応するタクシーサービスを提供していくことが必要となる。

そのためには、今後のモビリティサービスや通信アプリ、プラットホームの動向により見極め、新たなアプリや技術をどう適切に導入し、またそれとどう連携にしていくかが重要な問題です。配車アプリ等も含めて、総合的な無線配車システムとして捉え、皆さまの意見を伺いながら、組織強化等をしていきたいと考えております」と挨拶した。

事業経過報告によると会員数は146で3会員減、IP無線利用が増加、IPのみ38会員、自営デジタル・IP併用5会員の計43会員。全体の30%が一部を含めIP無線を利用。高度化に関する取り組みでは、運用を開始しているタクシー利用検索アプリ「Taxi-Search」は、全国の地方無線協会でデータ精度の向上に取り組んでいる。しかし、周知広報が十分でなく、利用が進んでいないことから、その具体化と、機能拡充検討を進める。

中間決算報告では、経常増減額として、123万8,958円増の黒字である。例年通り、この時期の数字としては同様の結果となった。

令和4年度通常総会の開催については、令和4年度5月24日の午後3時から、和歌山市のホテルアバローム紀の国2階の鳳凰の間で開催予定となっている。なお、新型コロナウイルスの感染状況には引き続き配慮するものとし、必要に応じて開催方法等について検討していく。

役員の一部改選は、高※橋光浩氏の新任((株)国際興業大阪)、三草大介氏の新任(南海有交無線共同配車組合理事長・和歌山県支部長)をそれぞれ選任、承認した。なお、兵庫県の五十嵐一俊理事の後任は、兵庫県支部で人選・調整中である。

その他の報告事項で財政の改善方策の検討については、会費の値上げ等は行わず、収入に見合った支出とすることを前提とした。

また、理事会終了後、株式会社デンソーテン 執行職 MaaS推進室長 植島啓吉氏を招いて講演会を開催した。演題は「タクシーシステム・MaaSの動向と弊社の取り組みについて」の話をした。

タクシー業界の取り幕く環境について、ここ数年の課題である労働者不足、新型コロナウイルスにより、移動抑制等がある。IT化で、さまざまな環境変化、柔軟な働き方、新たなサービスへ対応していくことが必要だ。そんな状況の中で、デンソーテンでは様々なサービスを行っている。

例えば「困ってMaaS」といった混雑緩和に向けた人流の把握・予測と待ち時間推定だ。スマートフォンアプリを活用し、移動手段の選択肢としてタクシー配車依頼をする。イベント会場周辺で人混みを避けた乗車場所をアプリ画面に表示し、ユーザーが乗降場所を選択、タクシー会社へ配車を依頼。乗降場所へ向かうと、タイミングよくタクシーが到着し、ストレスなくタクシーに乗車できる。このようにユーザーの行動変容を促し、混雑緩和に貢献している。

※高→正確には、はしごだか(環境依存文字なため表記変更)