自動車ニュース
近畿運輸局 定例記者会見
「相乗りタクシー、新たな需要の活性へ」柳瀬部長

近畿運輸局の柳瀬孝幸・自動車交通部長と福田貢規・自動車監査指導部長は11月18日、大阪合同庁舎4号館で定例記者会見を行った。

新型コロナウイルス関係では、金井昭彦・近畿運輸局長と自動車関係団体との懇親会が10月27日に行われ、業界団体から意見や要望があった。コロナ禍のタクシー業界が抱える諸問題について柳瀬部長は「大きく3つの要望があった。まず、新型コロナウイルスの深刻な影響を受けている経営支援の要望。地方創生臨時交付金を活用した自治体による支援制度、雇用調整助成金など様々な支援制度があるので、まずはそちらを利用していただきたい。また、経営の安定にはタクシーの利用拡大が挙げられているが、地域計画に定められた活性化事業を着実に進めることが重要であると考える。国交省の事業としてもUDタクシーの導入補助、キャッシュレス決済の導入補助もあるので活用いただきたい。そして、Go Toトラベル事業による、タクシーの利用促進の要望では、官公庁の地域観光事業支援、これにより観光事業者の支援がはじまっている。大阪に関しては、わたしも観光部長とともに9月14日、大阪府を訪問し、タクシーの利用促進の要望を行った。また、大阪いらっしゃいキャンペーンが、11月24日からスタートする。タクシーの利用も助成の対象。各事業者はブルーステッカーの登録が必要となるので積極的に取り組んでいただきたい」と支援制度の利用を促した。

運賃関係では、タクシー業界が相乗りタクシーを導入する意義や期待することについて「相乗りタクシーを導入することで、利用者は割安でDoor to Doorで利用可能。タクシー事業者にとっても、利用者の利便性の向上を図り、新たなタクシー需要を活性することを期待している」とした。

AIオンデマンド関係について「現在社会実験が行われている生野区と平野区では、交通手段が充実してきたのは事実。その中で北区と福島区という都市部でも社会実験の提案を行うということは、地域公共交通会議で、より慎重に、地域にとって必要で持続可能な交通の在り方や、地域の交通体系を担っているタクシーやバスと連携、協力して一緒に検討していくことが重要である。地域にとって、将来の持続可能な交通を模索することは有意義であり、取り組み自体を否定するべきではないと考えている。新たな社会実験を提案するにあたり、結果をしっかり分析し、それをどのように活かしていくのか、あきらかにしていくのかが大切。タクシー事業者との連携協力なども含めて、地域に必要な交通として、どのように地域と融合していくのか。地域としっかり連携し、関係者が一定の納得をした上で、進めていくことが重要だ」と述べた。

監査関係について福田部長は「タクシーの監査関係は、協会やタクシーセンターなどの業界が、自ら街頭指導を行うと同時に、事業者も運転者の駐停車の違反の指導をしていると認識している。貸切バスの街頭監査は、平成29年から令和2年までの4年間で、全国でも近畿が台数でトップ。大阪の支局に関しては、繁忙期における安全確保の状況に注視しており、街頭監査を実施することで、利用者の利便向上を考え、実施するのか調整を聞いている」と報告した。