自動車ニュース
兵庫県警察本部 交通部長 矢野浩司
「安全・安心・快適な交通社会」を目指して 〜秋の全国交通安全〜

 自動車関係業界の皆様方には、平素より交通安全対策をはじめ、警察業務の各般にわたりまして格別のご協力を賜っておりますことに、心より御礼を申し上げます。

 さて、兵庫県内の交通情勢につきましては、本年8月末現在の速報値で、人身事故件数、傷者数ともわずかに減少しているものの、死者数については前年対比+10人と増加しております。

 また、全交通事故死者68人のうち、約6割の43人が65歳以上の高齢者とな っており、中でも道路横断中の高齢者の死者数は20人(+12人)と大幅に増加するなど、道路横断中の歩行者の交通事故防止が喫緊の課題となっております。さらに、飲酒運転による交通事故につきましては、全事故に占める飲酒運転に起因する交通事故の構成率は、横ばい状態であるものの、本年は、飲酒運転による交通事故死者数が6人(+4人)と倍増している状況であり、飲酒運転根絶にむけた各種取組の強化が重要であると考えております。

 このような交通情勢の中、9月21日から30日までの10日間、秋の全国交通安全運動」が実施されます。

 本運動の重点につきましては、
1 子供と高齢者を始めとする歩行者の安全の確保
2 夕暮れ時と夜間の交通事故防止と歩行者等の保護など安全運転意識の向上
3 自転車の安全確保と交通ルール遵守の徹底
4 飲酒運転等の悪質・危険な運転の根絶
の4点となっております。

 県警察の取組といたしましては、まず、歩行者の安全確保」につきましては、県民運動の1つである「横断歩道合図運動」を関係機関団体の皆様と協働して推進するほか、横断歩行者等妨害等違反の取締り強化による歩行者保護の 一 方で、信号無視や、横断禁止場所横断などの違反行為が認められる危険な横断歩行者には、「歩行者指導警告書」を交付するなどして、安全で正しい横断方法の広報啓発活動に取り組んでまいります。

 次に、 「飲酒運転の根絶」につきましては、千葉県で発生しました、飲酒運転のトラックによる非常に痛ましい交通死亡事故の発生を受けまして、酒類販売店や飲食店等に飲酒運転根絶啓発チラシを配布し、飲酒運転を敢行するような運転者を認めた場合には、通報等の協力依頼をさせていただいております。

 さらに、登下校時間帯の通学路周辺における飲酒検問や交通監視活動を強化するなどして、昼夜を問わず、飲酒運転の取締り強化に取り組んでまいります。

 その他、安全運転管理者等の未選任事業所に対しましては、県警察ホ ー ムページや公式SNS等を活用して広報啓発を実施し、未選任事業所に対する指導啓発活動を強化してまいります。

 皆様方におかれましては、現下の交通情勢と本運動の趣旨を御理解いただき、感染拡大の防止対策を十分講じた上、職場や地域、家庭における交通安全に関する諸活動を行っていただくなど、なお 一 層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。