自動車ニュース
年頭所感― 一般社団法人 兵庫県トラック協会長 福永 征秀
英知を集結して課題に取り組み政治的な働きかけも視野に
新年明けましておめでとうございます。
令和3年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
会員事業者の皆様はじめ関係各位におかれましては、お健やかに新年をお迎えになられたことと、心からお慶び申し上げます。

さて、昨年は、新型コロナウイルスの広がりに伴い、緊急事態宣言の発令や医療体制の逼迫、東京五輪・パラリンピックの延期や各種イベントの中止など、日々の活動やこれまで通りの経済活動ができなくなり、私たちの生活に大きな影響を及ぼしました。

また、コロナ禍での県内の動向に目を向けますと、スーパーコンピュータ「富岳」の稼働は感染防止対策への活用に大きな期待を集め、PCR検査などの必要性から医療産業都市全体の存在感も高まりました。
一方、トラック運送業界におきましてもその影響は多大でありましたが、新型コロナウイルス感染拡大の中においても、国民生活に必要不可欠なエッセンシャル事業として、国民や荷主のニーズに応え、我が国の経済活動に大いに貢献してきたところです。

当協会においては、新型コロナウイルスの影響に対する会員事業者の支援施策として令和2年度の会費(令和2年7月から令和3年3月までの9ケ月分)を免除したほか、感染症拡大防止対策用品等の購入に対する助成などを行っておりますが、感染収束が見えない中、継続した感染症対策等の推進に努める必要があると考えております。

このような状況の中、改正貨物自動車運送事業法により設けられた「標準的な運賃の告示制度」に基づき、令和2年4月24日、国土交通省から標準的な運賃の告示が行われました。

ドライバーの労働条件の改善、働き方改革を推進するためにもその効果が期待されるところですが、新型コロナウイルス感染拡大の余波を受けて荷主はもとより会員事業者ともに浸透していない状況にあり、今後、改正貨物自動車運送事業法の周知とともに「標準的な運賃」の浸透等による適正な運賃・料金収受の推進に取り組んでまいります。

また、これまで以上に、我が国の産業活動や国民のくらしを支える基幹産業であることを自覚し、社会と共生し、その役割を果たしていくことが最重点課題であり、当協会としても働き方改革推進の諸対策はもちろんのこと、荷主や消費者から信頼される業界づくりのため、適正な運行管理、労務管理の取り組み強化、貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)の推進などの「適正化事業の推進」、交通安全思想の啓発やドライブレコーダ等の関連機器導入促進などの「安全対策」、地球環境への負荷の削減を図るため低公害車両の導入支援やエコドライブの普及促進などの「環境対策」に取り組むとともに、災害時における対策の充実や中小企業近代化対策も積極的に進めていく必要もあります。

当協会では、会員の皆様とともに、トラック運送業界が抱える多くの課題に着実に取り組み、将来にわたる運送業界の発展のため、一つずつ確実に解決し、社会から信頼される業界・協会づくりに一層取り組んでまいりたいと存じます。

そのためには、私どもが英知を結集し、業界の抱える諸課題に取り組むことは勿論、政治的な働きかけも視野に据えて、課題の解決に向けた行動を起こしてまいりたいと考えています。

つきましては、会員の皆様をはじめ、関係各位の一層のご支援、ご指導とご理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆々様のご健康、ご多幸を心から祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。