自動車ニュース
コロナ対策防止セミナーで宮沢准教授
「公共交通機関のコロナ対策は十分」
近畿運輸局(野澤和行局長)主催、近畿陸運協会、近畿バス団体協議会、近畿ハイタク協議会など6団体共催、JR西日本協力による「公共交通機関のコロナ感染防止対策セミナー」が大阪市中央区のドーンセンターで10月30日開催され、約200名が出席した。同セミナーは「近運局YouTubeチャンネル」で同時Live配信した。

開催で野澤局長は「公共交通機関を利用する人が新型コロナウイルス感染に不安を持っておられるが、バスにおいては数分で換気が完了するとされ、安心して多くの公共交通機関を利用できることと、広く周知することが肝要と考えます。公共交通の経営が停滞して、近畿の交通関係はじめ社会経済活動が停滞することは大変で、安心して通勤、通学、観光等に公共交通機関を広く利用頂き、不安を払拭されることと、このセミナーが実り多いことを祈念します」と挨拶。

基調講演は、宮沢孝幸・京都大学ウイルス・再生医科学研究所 准教授が「新型コロナウイルス感染防止対策と社会・経済活動の両立について」と題して我が国のウイルス研究のトップクラスの一人として、また獣医学博士としての立場から新型コロナウイルスの特性、感染対策、そしてコロナ禍での社会経済活動の重要性について語った。

宮沢氏は「ヒトの新興ウイルス感染症は動物由来である。このウイルスは本来、非病原性で病気を起こさないウイルスが多い。将来のウイルスが犬のジスデンバーウイルス。人に感染するし、うつっている。新型コロナウイルスもコウモリ由来だ。これはSARSコロナウイルス2型でコロナは王冠だ。変異は激しい。また新型コロナウイルスはSARSコロナウイルスの亜種で人は大昔(平安時代)からwithコロナであった。新型コロナウイルス対策と経済の両立を目指すことは、コロナ対応で社会経済活動が停滞した場合、失業による自殺者が結果として増大する。2%〜6%の失業率として、1%当たり2千人〜4千人が経済的理由で死亡(自殺等)する。6%〜8%なら14万人〜24万人だ。コロナによる病死より圧倒的な数なのです。新型コロナウイルスの特徴とこれまでの動物に対するウイルス感染実験など実証から、100分の1程度がウイルス到達をすること。つまりウイルスを完全になくすことより、ウイルス量を感染成立以下にする100分の1作戦を発信した。濃度が問題である。マスクは必要です。要は新型コロナウイルスは一定以上の数が必要で、感染経路は、飛沫、接触、空気の3つ。感染予防は100分の1作戦で十分である。過剰な感染症対策はトータルの人的被害を拡大する。経済を非常に冷え込ませる。そして公共交通機関の現行の感染症対策は十分です」と述べて講演を終えた。

このあとバス、タクシー、鉄道、客船の事業者による現行のコロナ禍での感染症防止対策についてパネルディスカッションが開かれた。