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兵ト協、原価計算活用セミナー開催 |
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物流の効率化を強く呼びかける 兵庫県トラック協会(福永征秀会長)は10月27日、全日本トラック協会と共催で「原価計算活用セミナー」を兵庫県トラック総合会館で開催した。セミナーでは近代経営システム研究所 代表取締役の森高弘純氏が講師を務め、原価計算の実践や計算結果の活用法、4月に告示された標準的な運賃の考え方や、その適用方法などを踏まえ、原価計算に基づく荷主等との取引状況の見直しに焦点を当てた内容についてレクチャーした。当日会場は約60名の満員で、8割が初参加であった受講者たちは真剣な表情で聞き入っていた。 セミナーで小坂氏は現状について「様々な業界で人手は不足している。車が好きでドライバーになる若者も少なくなってきており」とし「人材確保のためには、少しでも運賃を上げ、賃金を上げること。人材不足が生じると輸送が滞り、需要と供給が逆に動く。経営ができ、利益が出し、人が確保できるコストに戻していく流れを作っていかなければいけない」と課題について述べた。 その後、小坂氏は適正運賃の収受に向けた原価計算の基本を説明「燃料費の変動は皆様の経営努力とは全くの無関係であり、燃料サーチャージは必ず別途で収受していただきたい」等のポイントを上げた。 標準的な運賃について小坂氏は「運賃の部分だけを定義しているので、必ず積込、取卸しの分などの料金も必ず荷主と交渉していただきたい」とし「新規で交渉する際は良いのではないかと思う。標準的な運賃はこれで取れれば利益が出ることがはっきりとわかっているもの」と説明し「原価計算は今の取引先を分析してください。そして赤字の取引先から交渉を進めてください」と述べた。 荷主との運賃交渉について小坂氏は「売上高に占める物流コストはそんなに上がらないようにしなければならない」とし「荷主と一緒に物流の効率化をし、積載率・実車率の高い状態の運行がこなせたら、運賃が高くても荷主は物流コストが安いままの状態が必ず作れる」と物流の効率化が重要と強調した。 最後に小坂氏は「国から標準的な運賃が告示された。自社の原価を詳細に把握した上で交渉の際に、標準的な運賃を比較に自社の運賃表を提示する。できるだけ今の労働時間を改善できるよう交渉していただきたい」と述べ会を締めくくった。 |