自動車ニュース
近畿運輸局長と大阪府自動車関係団体長懇談会
「感染拡大防止が景気浮上のカギ」 (野澤局長)
野澤和行・近畿運輸局長と大阪府自動車関係団体(20団体・3機構)長との懇談会が11月7日、大阪キャッスルホテルで開かれた。懇談会には、近畿運輸局から野澤局長と盛田慎吾・自動車技術安全部長らが出席。自動車関係団体からは大阪自動車会議所(大阪自動車販売店連盟)の久保会長のほか、大阪府自動車整備振興会の山本昇会長や大阪府トラック協会の辻卓史会長、大阪タクシー協会の坂本栄二会長、大阪バス協会の塩川耕士会長らが参加し、各業界を取り巻く現状と課題について意見交換した。

団体を代表して久保尚平・大阪自動車会議所会長(大阪自動車販売店連盟会長)は「5月の緊急事態宣言が解除されて以降、7月上旬からの第2波と収束の見えない状態が続いていましたが、新内閣は“withコロナ”の環境時代として、また第3波の感染拡大阻止に向けて取組むことや経済対策の一環として、GoToキャンペーンに進むなど、大きく舵を取ろうとされています。緊急事態宣言発令の際に、国から示された新型コロナウイルス感染症対策の基本的対策方針の中に緊急事態宣言時に事業の継続が求められる事業者として、自動車関係団体を明記していただきました。その措置により緊急事態宣言下に置いても、各事業を休止することなく国民の安定的な生活、自動車の安全確保等ができました。まず一同をもって厚く御礼申し上げます」と謝辞を述べた。その後「新型コロナウイルス感染拡大の影響は想像以上に大きく、我が国の経済活動は大幅に下落ちされた状態が続いています。8月に即報された4月〜6月期のGDP成長率は、年率換算で27.8%の減と過去最大の落ち込み。また、9末期の全国の軽自動車を含む自動車販売状況は、対前年度同期比で85.7%、1月〜9月の累計比でも81.9%と昨年10月の消費税の増税から12ヵ月連続で対前年割れと推移しており、依然として厳しい数字となっています。大阪自動車会議所としても景気の回復に向けて相互に仕組みや取り組みを共用することで、この未曽有の危機を行政と一緒に打開していく決意。“withコロナ”の環境下において、お客様に対し、安心安全な環境を整えるべく、各業界のガイドラインに沿って感染防止対策宣言を行い対応しているところ。引き続き当局のご指導・ご鞭撻をいただきつつ、この難局を乗り越えればと存じております」と挨拶を述べた。 

これを受けて野澤局長は「新型コロナの拡大で皆様との意見交換の場がもっと早く持てなかったことにお詫びしたい。とりわけ皆様方は緊急事態宣言のなか、自らと、ご家族とが感染危機に向かい合いながらも、エッセンシャルワーカーとして、国民生活に不可欠の業務を継続されたことに感謝します。政府として感染拡大の防止と社会経済を動かしていく、この2つを両立していくスタンスに変わりはございません。感染拡大防止が最大の需要喚起策であり、景気を浮上させるための鍵だと考えております。具体的には業界ごとに定められたガイドラインを現場に対しての徹底、社員に対して大人数での宴会自粛や時差出勤などの推進などを図っていただければと思います。また10月からGoToトラベル事業の一環として1人最大6千円の地域共通クーポンが開始されました。バス、タクシーのみならず系列会社のホテルやおみやげ物、飲食店等々が登録可能ですので、GoToトラベル事業の需要の取込みを行っていただければと思います。将来の話になりますが、2030年インバウンド6千万人にする目標については、我々決して揺らぐことはございません。来年は東京オリンピック、2025年には大阪・関西万博が予定されております。このようにベンチマークとなるイベントは目白押しとなっております。ぜひ、様々な支援措置を活用していただきまして現状を乗り越えていただきますよう傘下の会員皆様にもよろしくお伝え願います」と述べ「本日は皆様方からの忌憚のない意見をいただき意見交換をしていきたいと思います。本省幹部らともオンライン会議で現下の情勢について分析を行っております。近畿運輸局だけでは対応できないものにつきましては本省幹部に伝えてまいりたい」と結んだ。

このあと各団体から現状と課題について報告があり意見交換した。

なお当日は後藤浩之・大阪運輸支局長、島田義久・同次長、本田泰彦・大阪運輸支局首席企画専門官が陪席。