自動車ニュース
兵庫交通共済事故防止セミナー
あおり運転でも、対人・対物賠償支払い
兵庫県交通共済協同組合(笹山誕一理事長)は9月12日、兵ト協会館で、講師に竹内和哉・弁護士(三宮法律事務所)を迎えて「知っておきたい最近の交通関係法律事情」と題する、令和2年度事故防止セミナーを開いた。約40名が参加した。

主催者あいさつで、中川道明・同共済事故防止委員長は、過去のセミナーを顧みつつ開催の意義を述べたあと「令和元年度の全国の交通事故死亡者数は3215人で、昭和45.6年当時の1万4.5千人から4千人を下回るのに約50年を要した。今、政府が目指すのは死者ゼロです。非常に高い目標ですが、基本に立ち返り共に頑張ってまいりましょう」と訴えた。

竹内氏は「あおり運転の規制強化について」述べ「あおり運転の規制強化は、従前にも自動車運転死傷処罰法で妨害目的運転があった。罰則は負傷させた場合は15年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上20年以下の懲役だった。しかし平成29年6月の東名高速事件(加害者があおり運転、被害者夫婦を後続トレーラーの追突で死亡させた)や、堺事件(平成30年7月、バイクの被害者を時速96kmで車で追突、死亡させた)等がきっかけとなって、危険運転致死罪が裁判で認められた。自動車運転致死傷処罰法に、危険運転致死傷罪の行為が追加されたもの。令和2年6月30日に改正となって、あおり運転をしただけで、必ず免許取消しとなり、5年以下の懲役または100万円以下の罰金等厳しい刑事罰となった」と解説した。

そして兵庫県交通共済と契約事業者の従業員があおり運転した場合の事故について「対人・対物賠償について共済約款第1章第4条(1)2、第8条(1)により、共済金の支払いが行われます。なお兵庫交通共済は支払った共済金につき、事故を起こした従業員に求償を行います」と説明。またあおり運転による事故で車両共済金は「共済約款第4章第3条1エにより、共済金は支払われません」とした。

その他当日は、自動運転の実用化、高齢ドライバー問題等について講演があった。