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トラック追突事故防止マニュアル活用セミナー開催
追突事故は業界の最優先課題の一つ
兵庫県トラック協会(福永征秀会長)は全日本トラック協会と共催で9月2日、兵庫県トラック協会会館にて追突事故防止マニュアル活用セミナーを開催し、磯部要・東京海上日動リスクコンサルティング 営業支援部 主任研究員が講演した。今年はコロナ感染拡大防止対策のため規模を縮小し、約25名(前年約50名)が参加した。

冒頭挨拶では、全ト協のからの挨拶を磯部氏が代行し「トラック事業における総合安全プラン2020において全ト協では交通事故死者数200人以下、人身事故件数12,500件以下、飲酒運転事故件数ゼロを目標に掲げている。昨年度実績は死者数245人、人身事故11,629件、飲酒運転事故96件。飲酒運転事故については目標まで程遠い。兵庫県下における死亡事故件数は平成29年で14件、平成30年は14件、令和元年は6件と減少傾向であり、みなさまの交通安全防止への取組み、努力の結果である」と述べた。

セミナー冒頭では、磯部氏がトピックスとして『あおり運転』『飲酒運転事故』を挙げ「2020年6月30日に改正道路交通法が施行されたあおり運転については、妨害運転罪として、刑事上、行政上両方で処分が厳しくなった。飲酒運転について平成30年のデータでは、通常の交通事故に比べ死亡事故率が、飲酒あり8.3倍、酒酔い運転は11.4倍と死亡リスクが高い」と説明した。

その後、追突事故の重大性や対策について事故映像等を用いて講演。磯部氏は「人身事故のうち追突事故は全体の5割、高速道路では7割を占める。追突事故は死亡率が上がり、また追突した際の過失は100%であり、被害の大きい事故は、会社の経営を揺るがしかねない。業界の最優先課題の一つである」と追突事故防止の重要性について注意喚起した。また追突事故の3大要因として『居眠り運転』『脇見運転』『だろう運転』を挙げ「ドライバー、管理者、事業者による三位一体の対策が不可欠」とした。追突事故の対策として「高速道路に入った100キロ未満での事故が6割を占めており、走行1時間以内に休憩をとることが重要。また、ダッシュボードの上に伝票など置いていると窓に反射し死角ができるため、車内整理が事故防止につながる。管理者はドライバーへの点呼時に顔色等に気を配り、コミュニケーションをとることが効果的である。事業者においては、従業員が安全最優先と言える風土が必要。事故防止計画の実践状況を定期的に振り返り、改善することが重要だ」と述べ活用を求めた。

講演後は、参加者によるグループディスカッションが行われ、自社の追突事故防止の取り組み状況、講演や他社の取り組みを聞き、取り入れたいと思うことなどを話し合った。なお、ディスカッション時、コロナ感染防止策として参加者には事前にフェイスシールドが配布され、着用して行われた。