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輸送秩序確立委員会開催ー兵庫県トラック協会
「標準運賃を柱に臨機応変に交渉」(尾上委員長)
兵庫県トラック協会(福永征秀会長)は7月27日、兵ト協会館で令和2年度第1回輸送秩序確立委員会を開き令和2年度事業計画、同年度委員会テーマなどについて承認した。尾上昌史委員長(淡路共生陸運(株))は冒頭「標準運賃がやっとできた矢先、コロナの影響で話が進まなかった。標準運賃関連について詳細を把握しきれていないと思う。セミナーを9月以降、複数回開催を予定しているので、忙しいとは思いますが参加いただき、理解を深めていただきたい。今、コロナによって本当に大変な環境だとは思いますが、頑張っていただきたい」とあいさつした。
令和2年度事業計画については、昨年に引き続き輸送秩序確立の対策として貨物自動車運送事業法の改正にかかる対応や適正な運賃・料金収受の推進、適正化事業の推進対策として巡回指導等による法令遵守の徹底やGマーク事業所の認知度を高める取り組みなどが盛り込まれた。また、今年度からは改正貨物自動車運送事業法の施行に伴い、社会保険・労働保険の未加入に対する指導に、保険の未納も対象に加わった。巡回指導については目標件数を840件と掲げているが、4月から6月までコロナの影響によって中止されていたため、目標達成が難しいと事務局より説明された。

今年度の委員会テーマについては近々のトピックスとして標準的な運賃が挙がり、出席委員からは「対荷主のイメージがあるが、取扱事業者にも標準的運賃についてアピールする必要があるのでは」「標準的運賃はあるに越したことはないが、基本賃金の改定は、その会社が努力して荷主に理解してもらうことだ」「標準的な運賃を勉強するのも必要だが、コロナ禍のご時世で進めるのは厳しい。今、大手が荷物集めに回り、値下げしているのが情報として入っている。中小零細企業は背に腹は代えられないと、さらに値下げし入ってくるという情報を荷主から聞いている。そこの部分でどうやって秩序を守っていくのか、我々はどう荷主に交渉していくのか、秩序を守らない会社をどうやって排除していくのか、具体策をもって勉強、調べていくツールがあればと思う」などと多数意見が出た。

尾上委員長は「標準的な運賃について、勉強会などを通じて基礎的に一緒の考えを持っていただけたら、標準運賃も進んでいくのではと思っている。現在の経済環境の中では認められにくい。コロナが落ちつけば状況も変わってくるだろう。交渉の際に知識がないと説得が難しい。標準運賃も勉強しつつ、交渉の具体例などがあれば混ぜていき、同時進行で勉強もしながら対応をどうしていくのかを意見を出し合い話し合う場にできればと。標準的な運賃を柱に臨機応変に進めていきたい」と述べた。