自動車ニュース
年頭所感―神戸運輸監理部 兵庫陸運部長 松崎 義廣 (2/2)
【交通運輸サービスの発展・利便性の向上について】

自動車運送事業のなかで乗合バスについては、特に地方部における交通空白地の増加や少子高齢化に伴う人口減少による輸送需要の減少が進行し、依然として乗合バス事業者の経営環境は大変厳しいなかにあります。その一方で、乗合バスは「地域再生と活性化、高齢者移動手段の確保」の要となっているところであり、将来に向かって持続可能な地域公共交通ネットワーク形成のためにも、地方公共団体と連携し、乗合バス事業者の生産性向上の取り組みにおける具体的な進め方を提案して参ります。

さらに、今後も引き続き公共交通ネットワークの確保・維持に努めるとともに、昨年の兵庫県バス協会による企画乗車券「バス旅ひょうご」や「客貨混載(旅客運送と貨物運送との事業のかけもち)」などに代表される利用促進キャンペーンや事業の生産性向上の取組を支援してまいります。

また、貸切バスについては、約4年前に発生した軽井沢スキーバス事故からの信頼回復への一歩として始動いたしました「貸切バス許可更新制度」、「適正化実施機関事業」等の円滑な実施と周知をさらに進めてまいります。
 タクシーについては、神戸市域交通圏の特定地域指定期限が引き続き延長されているなか、特定地域計画の確実な実施により、事業適正化と併せて積極的な活性化が図られることになっております。併せて、相次ぐ自動運転実証実験やインバウンドにおける白タク類似行為、そして配車アプリの導入など、タクシー事業を取り巻く経営環境が激変しているとの認識のもと、機を逸することなく対処してまいります。

トラックについては、「トラック輸送における取引環境・労働時間改善兵庫県地方協議会」が、令和5年度まで継続されることとなっております。「取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」の普及やアドバンス事業の実施などを通じて、重大な事故につながる恐れのある長時間労働の抑制などの労働環境改善への取り組みを、トラック事業者・荷主企業とともに進めてまいります。

また、バス・タクシー・トラックの全ての自動車運送事業における深刻な乗務員不足については喫緊の課題と認識し、それぞれの事業経営の効率化や生産性の向上、そして若年層や女性の労働力活用など、官民をあげた取り組みを進めてまいります。

【自動車の安全性確保と環境保全、ユーザーの利便性向上について】

我が国の自動車保有台数は、平成31年4月末現在で約8,193万台となり、兵庫県においても約303万台に達し全国で9番目の保有台数となっており、経済活動、日常生活においてなくてならない存在となっています。
交通事故の発生状況は、平成30年で死者数が3,532名と統計を取り始めた昭和23年以来最も少ない数字となったところですが、一方、高齢運転者による交通死亡事故は増加し、中でも、ブレーキ・アクセルペダルの踏み間違い事故が65歳以上で全体の約8割となっており、高齢運転者の操作ミスによる交通事故防止に向けた取り組みが重要となっています。

国土交通省としても、先進安全装置を搭載した「安全運転サポート車」の普及促進に取り組んでおり、兵庫陸運部におきましても、自動車アセスメントのPR、先進安全自動車(ASV)の導入に対する支援(補助金申請)対応など取り組みを進めているところです。

また、これら先進安全技術の機能維持・自動車の安全な運行のため、新技術に対応する整備工場の環境整備を行い一定の能力を有する「特定整備工場」を認証する制度や、車載式故障診断装置(OBD)を用いた検査を実施することなど、改正道路運送車両法が昨年5月24日に公布されました。新たな認証制度は、今春頃には施行されることとなっております。

100年に一度と言われる自動車業界の変革期に際し、自動車整備工場の環境整備を推進し自動車整備士の技術力向上に向けて、各関係団体と協力しながら支援して参ります。

自動車整備士の人材については、平成30年度における自動車整備分野の有効求人倍率が4.46倍となっており大変憂慮すべき状態となっております。

兵庫陸運部においても、各関係団体とともに、「兵庫県自動車整備人材確保育成連絡会」を開催し、これまでに県内の高等学校を訪問し校長先生をはじめ進路指導の先生方に自動車整備士の必要性や業界の魅力を伝えて参りました。また、令和元年も兵庫陸運部構内において「自動車整備士職業紹介フェアin神戸」を開催したところです。人材確保や女性の活躍推進について今後もあらゆる機会を捉え取り組んで参ります。

自動車の登録業務については、自動車の保有に伴い必要となる各種の行政手続の負担軽減及び行政事務の効率化等を図る観点から導入されましたワンストップサービス(OSS)は、現在、新規登録に限らず中間登録、抹消登録、永久抹消登録の全登録が可能です。昨年度の新規登録につきましては、自動車登録件数のOSS申請が(55%)半数以上を占めています。今後におきましても利用率の更なる向上をめざし、関係機関・団体等と連携を密にして利用の促進に努めてまいります。

また、“走る広告塔“としてのナンバープレートの機能に着目し、昨年10月1日から「自動車を走る広告塔にして地域の魅力を全国に発信していこう!」という取り組みとして地方版図柄入りナンバーの交付、又は交換できる制度が導入され、本年5月に新たに地域が追加され交付が始まります。それらを活用し地域活性化に繋げていけるよう引き続き努めてまいります。

【おわりに】

以上、新しい年を迎え、所信を申し上げましたが、関係団体、関係行政機関の皆様方には、なお一層のご支援、ご協力をお願い申し上げますとともに、今年一年が皆様方にとって大いなる発展の年になりますよう祈念いたしまして、令和で最初の迎える新年のご挨拶とさせていただきます。