自動車ニュース
年頭所感─一般社団法人兵庫県トラック協会 会長 福永征秀
基幹産業を自覚、課題解決に行動
新年明けましておめでとうございます。
令和2年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

会員事業者の皆様はじめ関係各位におかれましては、お健やかに新年をお迎えになられたことと、心からお慶び申し上げます。

さて、昨年は、5月に天皇陛下が即位し、華やいだムードの中、新しい元号となる令和の時代が幕を開け、ラグビーW杯では日本代表チームが史上初めて予選リーグを突破し、強豪国と肩を並べるまでになり、今年の東京五輪開催に向けて弾みをつける出来事となりました。また、8月の九州北部豪雨、9月の台風15号、記憶に新しい台風19号は関東地方から東北地方にかけて猛威をふるい、多数の死者・行方不明者を出すなど、自然災害の多い年でもありました。

県内の動向に目を向けると、消費増税で景気の先行きが不透明な中、JR三宮駅前や須磨海浜公園エリアなどの再開発計画、神戸空港の規制緩和に向けた動き、大阪湾岸道路西伸部や播磨臨海地域道路の整備など、各地で大型プロジェクトが進んでいます。

一方、トラック運送業界におきましては、平成2年の規制緩和以降、事業者数の増加に伴う過当競争等により、運送業務や附帯するサービスに対して適正な運賃・料金の収受が難しい状況にあり、また、昨今の少子高齢化等により労働力不足の深刻化が懸念されるところです。

このような状況の中、平成30年6月には「働き方改革を推進するための関係法律」が成立し、この働き方改革の推進にあたって、政府においては「自動車運送事業の働き方改革の実現に向けた政府行動計画」に基づく諸施策が進められ、それらを踏まえ、全日本トラック協会が策定した「トラック運送業界の働き方改革実現に向けたアクションプラン」の実行を展開する中で、荷主との協力による取引環境の改善や長時間労働の抑制等に係る「ホワイト物流推進運動」等の諸対策が講じられております。さらに、ドライバーの労働条件の改善を目的として、規制の適正化、事業者が遵守すべき事項の明確化、荷主対策の深度化、標準的運賃の告示等を内容とする改正貨物自動車運送事業法が平成30年12月に成立し、働き方改革を推進するためにもその効果が期待されるところです。

このような中においても、私どもは、我が国の産業活動や国民のくらしを支える基幹産業であることを改めて自覚し、社会と共生し、その役割を果たしていくことが最重点課題であり、当協会としても働き方改革推進の諸対策はもちろんのこと、荷主や消費者から信頼される業界づくりのため、適正な運行管理、労務管理の取り組み強化、貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)の推進などの『適正化事業の推進』、「トラック事業における総合安全プラン2020」に基づく諸対策の推進、交通安全思想の啓発やドライブレコーダ等の関連機器導入促進などの『安全対策』、地球環境への負荷の削減を図るため低公害車両の導入支援やエコドライブの普及促進などの『環境対策』にさらに取り組んでまいります。

また、これまで以上に災害時における対策の充実や中小企業近代化対策も積極的に進めていく必要もあります。

当協会では、会員の皆様と共に、トラック運送業界が抱える多くの課題に着実に取り組み、将来にわたる運送業界の発展のため、一つずつ確実に解決し、社会から信頼される業界・協会づくりに一層取り組んでまいりたいと存じます。

そのためには、私どもが英知を結集し、業界の抱える諸課題に取り組むことは勿論、政治的な働きかけも視野に据えて、課題の解決に向けた行動を起こしてまいりたいと考えています。

つきましては、会員の皆様をはじめ、関係各位の一層のご支援、ご指導とご理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆々様のご健康、ご多幸を心から祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。