自動車ニュース
ホワイト経営に向け法制度学ぶ
労務講座開催
兵庫県タクシー協会(吉川紀興会長)は11月28日、生田神社会館で労務講座を開催した。

同協会副会長・五十嵐一俊氏は冒頭、4月1日から施行された「働き方改革関連法」について説明し「本日の講座でしっかりと勉強し、明日からの業務に役立てるようお願いします」とあいさつした。

続いて、労務委員長の青田嘉之氏があいさつし「働き方改革は、長時間労働の解消、非正規と正社員の格差是正、高齢者の就労支援の3本柱となっている。時間外労働に関して、タクシー業界は5年間の猶予が設けられている。ただ、今後、監査等で多くの会社が指摘されることがあれば改善基準が改定され、総拘束時間が短縮される可能性があるのでご注意願いたい。高齢者の就労支援は、業界が昔から望んでいた在職老齢年金の見直しが現在議論、最終調整されている。ホワイト経営において、将来の認証制度の星(一つ星〜三つ星)を取っていない会社は、ハローワークで紹介を受けられない、助成金の対象から外されるなどの可能性がある。ホワイト経営の認証を受けるには、必須項目と加点項目の2つあり、累進歩合の撤廃は必須項目に入っている。現在、累進歩合を採用している会社は積算歩合に変えなければ星を取得することが出来ないので、早めの撤廃を検討していただきたい」と語った。

講演は、兵庫労働局神戸東労働基準監督署 第一方面主任監督官・北川忍氏、(同署)安全衛生課長・赤木英幸氏が「改正労働基準法と労働時間管理などについて」をテーマに、兵庫働き方改革推進支援センター 社会保険労務士・石川聡子氏が「働き方改革の概要と助成金について」をテーマに2部構成で行った。

 北川氏は、働き方改革の概要について「5年間の猶予が設けられているのはドライバーであり、事務職者や整備者は2020年4月からの適用になるのでご注意を。有給休暇所得については使用者が労働者に取得時期の意見を聴取しなければならない。また労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければならない」などを説明した。

その後、赤木氏は、産業医・産業保健機能と長時間労働者に対する面接指導等の強化や交通労働災害防止についてなどを説明し、ポイントとして「労働者が産業医を把握していないケースが多々見受けられるので、周知の徹底を。交通労働災害防止策について、代表の方針表明が必要。また、労働者の高齢化に伴い転倒災害が多く、主な原因として、滑り、つまずき、踏み外しが挙げられる。ステッカーの掲示を行うなど危険場所を『見える化』することが大切」と述べた。

2部では石川氏が、多種の助成金の中から、特定求職者雇用開発助成金・トライアル雇用助成金・キャリアアップ助成金・人材確保等支援助成金・65歳超雇用促進助成金・両立支援助成金の6つを紹介した。各種の助成金に関して、対象になる労働者及び事業者、及び支給額等を説明した。