自動車ニュース
オンデマンドとタクシーの共同利用で 広範囲なニーズに対応
自動移動サービス実証実験の出発式開催
筑紫が丘自治会(神戸市北区)は12月9日、まちなか自動移動サービス事業構想コンソーシアム、神戸自動走行研究会と、まちなか自動移動サービス実証実験の出発式を筑紫が丘自治会館で開催した。坂や階段の多い丘陵地のニュータウンでは、自家用車がなければ買い物など日々の外出が困難である。まちなか自動移動サービスは、住宅地内におけるラスト&ファーストマイルの移動サービスと公共交通との連携を通じ、多様な移動手段を用意することで、地域内での移動のしやすさを高める取り組みだ。

この実証実験は、筑紫が丘、⼩倉台、広陵町、桜森町およびその周辺地域で行い、低速(最高速度時速20km)かつ有人の車両を活用して、最寄りの商業施設、バス停等までの近距離移動を目的とした住宅地内の移動サービスを地域住民に一定期間提供する。車両を呼び出す際には、スマートフォンで「まちなかアプリ」を使用し(電話予約も可能)、乗降ポイントを指定。このほか、地域住民のより広域の移動ニーズにも対応するため、タクシー車両を活用して住宅地から少し離れた病院や商業施設等への移動を目的としたタクシー共同利用サービスを提供。「まちなかアプリ」で相乗りグループの募集を行い利用する。

冒頭、川渕啓司・筑紫が丘自治会長は「この実証実験も今回4回目で、地域住民を主体として進展している。高齢化への対応だけではなく、若年層も利用できる仕掛け作りを行い、これらの成果をベースに来年にもサービスの開始を図りたい。そのためにも、多数の方の利用を」と呼びかけた。また、「全国に先駆けた地域モデルを作り上げることにより、他の地域へ波及するモデルの一つになればと考える。この実証実験を通じて、住み続けることのできる魅力あるまちづくりを目指す」と意気込みを語った。その他、赤羽一嘉・国土交通大臣からのメッセージ代読もあった。

その後、武藤一浩・(株)日本総合研究所 創発戦略センター マネジャーから、実証実験の背景や経緯について説明。松本浩之・みなと観光バス 代表取締役社長から実証実験の概要について説明があった。

最後に自治館前駐車場で実証車両運転手に花束を贈呈し安全祈願が行われ、式を締めくくった。