自動車ニュース
令和元年6月通常総会
UDタクシー・キャッシュレス・配車アプリ、「活性化」は自分たちの手で
兵庫県タクシー協会(吉川紀興会長)は6月27日、生田神社会館で令和元年6月通常総会を開いた。総会では平成30年度事業報告、同財務諸表について審議し、いずれも原案どおり承認した。

吉川会長は、冒頭のあいさつで依然続く業界の厳しい経営環境について触れ、「乗務員不足をいかに解消するか、業界の存亡がかかっている」と危機感を示した。また、事業者が積極的な導入を進めるべき施策として、(1) ユニバーサルデザイン(UD) タクシー(2) キャッシュレス等の電子決済(3) 配車アプリなどを挙げた。UDタクシーは加速する高齢化、電子決済は多様化する顧客ニーズ、配車アプリはインバウンド需要とライドシェア参入の防止、といった観点から非常に重要であると説き、「(制度の整備などで)『適正化』が行われても、『活性化』は自分たちの手で行わないといけない。時代のニーズをよく考え、ぜひ協力してもらいたい」と求めた。

会計関連の審議を終えた後、「国民の安全を脅かすとともに地方創生の担い手である地域公共交通の存続を危うくする『ライドシェア』と称する白タク行為を断固阻止する決議」案を採択した。決議では、「業界で一致団結し、地方自治体・労働組合・個人タクシー業界・バス業界と連携し、このような動きを全力で阻止」する姿勢が改めて示された。また、前述の3項目などを含めた「利用者目線に立ったさらなるタクシーサービスの高度化」を図ることが盛り込まれた。

来賓を代表し、近畿運輸局の栗原弥生・自動車交通部長が祝辞を述べ、審議が進んでいる運賃改定について「新運賃の実施が労働条件の改善や利用者へのサービスの向上につながることを期待している。また、世間が注目しているこのタイミングを利用して、業界の活性化、イメージアップにつなげてほしい」と語った。兵庫県警察交通部交通企画課の野上浩二・課長補佐と兵庫労働局労働基準部監督課の後藤誠・主任監察監督官の両氏からも祝辞が贈られた。