自動車ニュース
「安全・安心・快適な交通社会」を 警察本部交通部長 橋本康
自動車関係業界の皆様方には、平素より交通安全対策をはじめ、警察業務の各般にわたりまして格別のご協力を賜っておりますことに、心より御礼を申し上げます。

さて、兵庫県内の交通事故情勢でありますが、本年3月末現在の交通事故死者数は27人(昨年同期比-5人)と減少はしておりますが、依然として高齢者が全体の交通事故死者数の約5割を占めていますほか、道路横断中の交通事故が多く発生している状況にあり、高齢者及び歩行者の安全確保が喫緊の課題となっております。

このような中、入学や就職などの生活環境の変化に伴う歩行者を含めた交通流・量の変動に加え、行楽シーズンに入っての交通事故の増加が懸念されるこの時期、春の全国交通安全運動が5月11日から20日までの10日間実施されます。

本運動では、運動の重点を

1 子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止
2 自転車の安全利用の推進
3 全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底
4 飲酒運転の根絶としております。

重点の1点目の子供と高齢者の交通事故防止については、横断歩道を横断中の交通事故を防止するため、ドライバーに対して、横断歩道手前における減速義務と横断歩道における歩行者優先義務などを周知する交通安全教育や交通指導取締りを重点的に行うほか、高齢歩行者に対しては、道路を横断する際には、左から来る車の危険性の周知や夜間においては夜光反射材や小型ライトの活用を促進するなどの広報啓発活動を推進してまいります。

重点の2点目の自転車の安全利用の推進については、昨年、自転車の関係する交通事故は全体の約23%を占めており、そのうち9 割以上が自転車側に何らかの法令違反があったことから、交通ルールの周知やマナー向上に向け た「自転車安全利用五則」を用いた交通安全教育のほか、ヘルメットの着用促進についても周知を図るとともに、悪質・危険な自転車利用者に対する指導取締りを徹底してまいります。

重点の3点目のシートベルト、チャイルドシートの着用については、昨年の自動車乗用中の交通事故死者45人のうち、非着用の方が19人と4割以上を占め、そのうち約 7割の方はシートベルトを着用していれば死亡には至らなかったと推測できます。

また、シートベルト着用率調査でも、特に後部座席の着用率が低い結果にありますことから、全ての座席におけるシートベルト着用、そしてチャイルドシートの正しい使用に向けた広報啓発活動と交通指導取締りを強化してまいります。

重点の 4点目の飲酒運転の根絶については、昨年の県内における飲酒運転により亡くなられた方は9人と、一昨年に比べ減少はしているものの、いまだに飲酒運転の検挙件数が年間 1千件を超えており、飲酒運転の根絶は道半ばと言わざるをえない状況にありますことから、悪質・危険な飲酒運転に対する取締りを一層強化するほか、関係機関と連携を図り、ハンドルキーパー 運動や広報啓発活動を推進し、皆様と共に飲酒運転根絶の気運を高めてまいります。

皆様方におかれましては、現下の交通情勢と本運動の趣旨を御理解いただき、職場や地域における交通安全の推進に、なお一層の御協力を賜りますようお願い申し上げます。