自動車ニュース
兵庫県交通共済協同組合ー特別安全運転講習会プログラム開催
「勇気を持って休息する」ことの重要性訴える

兵庫県交通共済協同組合(北野穰理事長)は3月9日、兵庫県トラック総合会館で特別安全運転講習会プログラムを開催した。講師に丸山利明・TM安全企画代表を迎え、「トラックドライバーの危機管理能力を高めよう」と題した講演を行った。

開会にあたり中川道明・事故防止委員長は、「交通事故の原因は多々あるが、運転免許を取得した時の新鮮な気持ち、慎重に慎重を重ねる当時の心構えを思い出していただきたい。また、『急がば回れ』の言葉の通り、余裕を持った運転業務の遂行を心掛けてほしい。本日の講演を明日から自分の会社でも活用し、今後の交通事故・死亡事故の抑制に取り組み、明るい社会にしていただきたい」とあいさつした。

丸山氏は自身のドライバーとしての経験をもとに、現場の目線に立った講義を行った。冒頭、「勇気を持って寝ることができてこそ最高のドライバー。その方が結果的に会社も助かる。会社が延着を怒るような体制だと、ドライバーは眠い目をこすりながら必死に運転することになる。会社や管理者も変わらないといけない」と語り、15分程度のうたた寝を効果的にとることの重要性を語った。また、近年の携帯電話使用に関する罰則を強化した道交法の改正にも触れ、ドライバーに注意を促した。

その後、ドライバーの危機管理能力を高める具体的な施策として、(1)90分リズムで休憩をとる、(2)高速道路のETC手前の車線なし区間では道を譲る気持ちを持つ、(3)夜間に街灯が少ない暗い道などを走行する時は、前照灯上向き(ハイビーム)が基本、など16項目を挙げた。また、近年問題となっているあおり運転についても取り上げ、「こちらにあおる気持ちが無くても、前を走る車がどう思うかわからない。車間距離を十分空けて走行しても配達の遅れは数秒程度、というくらいの気構えでいることが必要」と、心身ともに余裕を持って運転することの重要性を語った。