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路線バスの可能性を考えるシンポジウム開催 国交省、近運局ほか (1/2)
シンパシーよりエンパシー 
地域愛を高め、業界と地域全体で人材の確保・育成を


近畿運輸局(八木一史局長)と(一財)近畿陸運協会、近畿バス団体協議会は、1月30日、大阪市中央区の大阪歴史博物館で「路線バスの可能性を考えるシンポジウム」を開いた。これは平成25年から3ヵ年で近畿各府県の路線バスの可能性を考えるシンポジウムでの取り組みのビフォア・アフター、問題意識や今後の課題について参加者と共有するため開かれたもの。

基調講演は「ヒアリング調査から見えた持続可能なバス交通のありかたとこれからの課題」と題して、井上学氏(立命館大学 衣笠総合研究機構 アート・リサーチセンター客員協力研究員 公共交通アドバイザー)が講演した。井上氏はバス業界の深刻な人材不足について、「地域の人達から公共交通に対するエンパシー(Empathy, 共感すること)を高めること。シンパシー(Sympathy)より、より相手の気持ちを理解するエンパシーではないか。つまり『地域愛』ではないか。人材不足に対する取り組みは、業界全体、地域全体で人材の確保・育成を考える時」と述べた。「利用者増加策とバス運行のバランス」では、「乗らない赤字より乗っていただける赤字を。本当に必要かの再検討。要は地域住民の利用が基本」とした。これからの持続可能なモビリティのあり方については、「地域にとってなくてはならない交通、未来のあるサービスとイメージにあること。他社だけでなく他のモビリティもライバルでなく仲間になる時代」と述べて、重要なのは「社会的に必要とされること」と語り、未来ある企業に期待を込めて締めくくった。