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年頭所感─一般社団法人兵庫県タクシー協会 会長 吉川紀興 (1/3)
新年あけましておめでとうございます。

平成30年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
    
さて、タクシー事業につきましては、依然として輸送需要の減少傾向が続き、タクシー車両の供給過剰と恒常的な乗務員不足、乗務員の労働条件の悪化など大変厳しい環境下におかれています。このため、平成26年1月に改正タクシー特措法が施行され、平成27年9月に神戸市域交通圏の特定地域の指定が行われました。以降タクシー事業の適正化及び活性化対策について議論を深めてまいりましたが、昨年8月に第3回特定地域協議を開催し、適性化対策(平均減車率14.6%)及び活性化対策を柱とする地域計画案について活発な議論が行われました。採択の結果、神戸市域交通圏の全営業所で保有する車両の三分の二の事業者合意基準をクリアしました。また、自治体、労働組合、市民代表、行政の構成員のそれぞれから合意が得られました。これにより、同年9月15日に近畿運輸局に対し、神戸市域交通圏の特定地域計画の認可申請を行い、同年11月27日付けで認可を頂きました。この認可公表から6か月以内に合意の各事業者が事業者計画の認可を受けるべく申請等の手続きを進めることになります。

一方、準特定地域に指定されていた姫路・西播磨交通圏につきましては、実働一日一車当たりの数値が僅かながら、平成13年度の同数値を上回り、準特定地域の指定基準に合致しなくなったとし、準特定地域の指定が解除されました。これについては、28年度は、姫路城改修工事後の観光特需等の影響が少なからずあり、実績数値を押し上げた形になりました。指定解除後は、新規参入や増車が自由になり既存事業者の運収減につながるという懸念が事業者間に拡がりました。このため、当協会としては、姫路・西播両支部の代表とともに近畿運輸局に対し今後の新規参入や増車の認可申請に際しては、より慎重な対応をお願いするとともに、特定地域及び準特定地域の指定基準の見直しについての要望を行いました。残る特定地域の神戸市域交通圏及び準特定地域の東播磨交通圏については、今後タクシー事業の適正化・活性化の取組みを進めて参りたいと考えています。

また、養父市における国家戦略特別区域会議について、政府は、昨年12月13日に国家戦略特別区域会議の合同会議を開き、兵庫県養父市が提案していた区域計画案を了承しました。

養父市の新たな計画案の概要は、タクシー事業者の対応が困難な地域(具体的には大屋地域及び関宮地域)を対象としており、運送の実施主体は、「NPO法人養父市マイカー運送ネットワーク(仮称)」で、来年2月頃の設立を目指すとされています。安全運行対策、運行管理、経営ノウハウ等を地元タクシー事業者が提供し、新たな観光ルートの提案や、市内観光施設との相互連携を観光関連団体が担うとされています。登録ドライバーは、二種免許所持者または国交省指定講習受講者とされ、運行前にアルコールチェック等も行うということです。
このように、安全管理、運行管理は既存タクシー事業者が行うという特区の中で合法的な手続きが進んでおり、本年5月運行開始の予定となっています。