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「にしのみやこども食堂」  家族で囲む食卓のような食堂 (2/3)
自分が欲しかった場所
田中さんは先輩から話を聞いて関心を持ったことがきっかけで食堂の立ち上げに携わり、オープン時から店長を務めている。中学生のときに母親を亡くした経験から「父親の帰りが遅くて一人でごはんを食べることがありました」(田中さん)。まさに中学生、高校生のときに自分が欲しかった場所だと言う。

2015年12月にオープンした当初、ごはんは一食300円で提供されていた。「こどもがお小遣いを握り締めて、気軽に来れるような価格設定に」(田中さん)と3カ月後に、料理の質は変えずに一食100円に値下げした。原価を割る分はクラウドファンディングなどで支援を呼びかけ、企業や一般の方から提供された資金や物資で補ってる。

子どもにとって居心地のよい場所
調理場から子どもたちに優しい眼差しを向けていたのは、近くに住む中尾牧子さん。自身も中学生と高校生の子どもを持つ母親だ。ほぼ毎週、食器や調理道具の消毒などの開店準備や調理を担当している。こども食堂の活動をSNSで見たのがきっかけで、自らブレーンヒューマニティーの事務所へ足を運び、昨年の2月からボランティアとして働いている。「貧困の子どもの場所と限定してしまうことなく、とにかくいろいろな子に来て欲しいと思っています。共働きで孤食になってしまう子、食べる時間が遅くなってしまう子、塾帰りにお腹が空いたら。100円を持ってきて、みんなで楽しくごはん食べる。ただ、そのような場になれば嬉しいです」と微笑む。