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兵ト協 第45回物流セミナー開催
11月6日、兵ト協主催(全ト協会共催)の第45回物流セミナーがANAクラウンプラザホテル神戸で開催された。冒頭で大塚啓次・兵庫陸運部長は「自動車運送事業にとって、安全が最大の使命であり事故防止への取り組みが社会との共生を図る上での最重要課題であると考える」と挨拶。

「過重労働の解消に向けて」と題された講演では、講師の藤井茂氏(兵庫労働局 労働基準監督課 監察監督官)より、「トラック運転者の労働時間等の改善基準のポイント」および「過重労働解消キャンペーン」の紹介が行われた。
講演内容によると「原則、一ヶ月の拘束時間は293時間が限度とされ、1日の拘束時間は13時間以内を基本とし、16時間が限度」とされている。また「1日の休息時間は継続8時間以上必要」である。特筆すべきはフェリーに乗船する場合の特例に変更が生じている点で、5月1日以降、フェリーの乗船時間全てを休息期間として取り扱うようになっている(従来は乗船時間のうち2時間が拘束時間で、それ以外が休息期間とみなされた)。

過労死防止に関する解説では「毎年全国で約800件弱の労災請求がなされているが、その約2割が輸送機械運転従事者であり、これは職種別でトップの件数」となっている。「そのうち労災認定が下りた件数についても、職種別に見ると輸送機械運転従事者が約3割」で、こちらもトップとなっており、他業種と比べても厳しい労働環境にあることがわかる。

藤井氏は結びとして、「この11月のキャンペーン月間を契機にしていただき、労働時間の実態、管理体制などを改めて点検いただきたい」と述べた。

この講演に続き、講師の大谷勝氏(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 前教授)からは、「介護されない人生〜アミノ酸が高齢化社会を救う〜」と題し、氏の30年に渡るアミノ酸研究成果から、ドライバーの健康管理、事故防止に向け、積極的なアミノ酸摂取を推進する解説映像の上映、講演がなされた。