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兵ト協、ドライバー採用・定着セミナー開く
兵庫県トラック協会は8月26日、同会の主催で「ドライバー採用・定着セミナー」を、兵庫県トラック総合会館で開催した。

脇田政司・常務理事が主催者あいさつを述べた後、神戸運輸監理部兵庫陸運部輸送部門の清水俊博・首席運輸企画専門官と、(株)船井総合研究所の橋本直行・上級コンサルタントの2氏を講師として講演が行われた。

兵庫陸運部・清水首席は、トラック輸送をめぐる現状と国土交通省の取組について説明。「適正な取引の確保及び輸送の安全を阻害する行為の防止等のための省令改正等を今年1月に実施いたしました。内容は、貨物自動車運送事業輸送安全規則の改正と、『トラック運送業における書面化推進ガイドライン』の制定、標準貨物自動車運送約款の改正です。兵庫県の方でも、兵庫県パートナーシップ協議会の運送契約書面化推進WGで作成した手引きを2種類配布いたしました」と、兵庫県下での運送契約書面化に向けた取組を紹介した。

中小企業の時間外労働に対する割増賃金率の引上げが、平成31年4月から実施されることについては「トラック輸送業は総労働時間が長く、荷主の都合による手待ち時間の実態からトラック事業者だけで問題を解決することが困難な状況にあります。協議会で現状の改善を図ります」と述べた。平成30年度までの長時間労働抑制に向けたロードマップを示し、時間をかけて問題に取り組む方針を示した。人材確保の問題についても、若年層・女性の活躍促進に向けて、業界イメージの改善や官民連携による積極的な情報発信、経営者の意識改革に向けた啓蒙強化を図るとしている。その一環として県内13高校へ訪問して、「トラック事業や整備事業についてPRした」と述べた。

続いて、船井総研・橋本氏が講演した。橋本氏は「今、ドライバーが集まる運送会社がやっていること-100連発!」と題して、運送会社に採用活動上の工夫を提言。人材採用にかかる資金を費用ではなく「投資」と捉えるべきだとした。求人広告を掲載してから採用後3ヶ月間の行動にも触れた。採用活動では「問い合わせ」「面接」「採用」と段階を踏むごとに人数が減っていく。どの段階で人数が減ったかを把握することで、自社の弱点を理解できると説明した。

また、ホームページで採用活動を行う場合の注意点として、家族を安心させ妻を納得させることが重要とした。仕事のやりがいや職場の雰囲気を伝えるようなものでないといけないと指摘した。他にもハローワーク求人票を例にとり、「ドライバーが集まる」会社が取り組みをどのように進めているのかを具体的に紹介した。退職者に対してアンケートを行うことで、自社の職場環境に対するより正確な評価を得ることができると述べた。