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ワンウェイ型EVカーシェア「sea:mo」、神戸で始動!!
8月20日、神戸市・メリケンパーク(神戸海洋博物館前)で、ワンウェイ型カーシェアリングに関する実証実験「sea:mo」の開始に先立ち、オープニングイベントが行われました。

神戸市では現在、平成25年度に策定した「神戸市総合交通計画」に基づき交通行政を推進しています。その中では、「公共交通を中心とする良好な交通環境の維持・充実」「技術革新による様々な移動支援の仕組みの構築」「都心・ウォーターフロントや観光地での移動需要を支える交通環境の維持・充実」「移動しやすい交通環境の整備、ニーズに見合った移動手段の確保」などが神戸市の抱える課題として触れられています。この解決策を模索する中で、乗り捨て利用が可能なワンウェイ型カーシェアリングの導入についても検討しているようです。

なお神戸市では、同交通計画の目標年次を、第5次神戸市基本計画の目標年次と同じ 2025 年(平成 37 年)としています。

今回実証実験が始まる「sea:mo」とは、神戸市が8月22日より開始する乗り捨て可能なワンウェイ型カーシェアリングサービスのことで、公共交通を補完することを目的としています。海を意味する“sea”と山を意味する“mountain”から名付けられました。

今回の事業運営に当たっては、六甲産業(株)が車両の管理・運営を担当。日本ユニシス(株)は車両管理用のシステムを、ユビテックは車載器を開発します。三菱重工業(株)は、sea:moの実際の稼働状況をデータにより分析し、今後の効率的な運営の検討を行います。

あいにくの雨模様の中、関係者ら20名以上が出席しました。

冒頭では神戸市を代表して、山崎聡一・住宅都市局長が挨拶。「観光客が増える中で、神戸の回遊性を高める必要があった。神戸市総合交通計画を実現させるためにも、このワンウェイ型カーシェアリングサービスの可能性を探りたい。地元住民にとっても、通勤や買い物など数キロレベルの移動に向いている。たくさんの方にご利用いただき、本格実施に結び付けたい」と述べ、ワンウェイ型カーシェアリングが将来的に神戸市の公共交通機関の一翼を担う存在へと成長することに期待を込めました。

続いて、事業者側から日本ユニシス(株)の金井智・公共第一事業部次世代ビジネス部長が挨拶に立ちました。「今回の実証実験を通して、ワンウェイ型カーシェアリングの事業性を検証したい。弊社がこれまで培ってきた、充電インフラやカーシェアリングシステムサービスに関する経験を生かしていく。また、弊社では平成25年度より、CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(環境省)に取り組んできた。今回の神戸市などとの実証実験についても、CO2の大幅削減を目指す技術開発の一環として参加させていただいている。神戸市総合交通計画に寄与して参りたい。そのためにも、多くの市民の皆様にsea:moを体感いただき、屈託のないご意見を頂戴したい」と述べました。

sea:moの使い方について、六甲産業(株)の盛岡康博・代表取締役より説明がありました。「神戸は東西方向の交通網が大変発達している。このsea:moは、これまでの移動手段を補うことで、南北方向の移動をさらに便利にする役割を担うものと考えている。各車両に設置されているICセンサーにカードをかざすだけで利用できる。終了時も同様である。当初は10箇所のステーションから開始となるが、今後は20箇所以上のステーションで展開し、sea:moの回遊性を向上させていく。かわいいsea:moの車が街中を回遊することで、神戸の街を明るく、より活性化させたい。全力で運営させていただく。年度内は30分無料なので、皆様にも積極的にご利用いただきたい」と、sea:moに対する意気込みと神戸の活性化への熱い思いを述べました。

テープカットの後はデモ走行がおこなわれ、たくさんの参加者・報道陣らが見守る中、車が会場を後にしました。

オープニングセレモニー終了後は、会場に再び車両が展示され、外国人観光客らが車両に乗り込むなどして熱心に観察していました。