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富士通、交通・道路環境のサービス事業を拡大
富士通は8月3日、交通・道路環境サービスに関する一連の事業概要について発表しました。

同社は、スマートフォンのモーションセンシング機能を活用した道路舗装劣化状況診断サービス、商用車プローブデータ(注1)を活用したサービスを提供しています。今回、商用車プローブデータの分析と道路補修支援のサービスを提供する「株式会社富士通交通・道路データサービス」(本社:東京都港区、代表取締役社長:島田 孝司、以下、富士通交通・道路データサービス)を7月1日に設立しました。これにより、より迅速な社会インフラ整備の専門家や道路整備・管理事業者、輸送事業者との連携を可能にすることで、新しいサービスの拡充を加速し、事業を拡大していくとしています。

富士通交通・道路データサービス設立の背景としえは、プローブデータの活用があります。安全で快適な道路の整備計画では、まず道路利用の現状を正しく把握する必要があるためです。

近年の道路の老朽化への対策という社会の重要な課題に対しては、効率的に対応できるソリューションとして2013年に、スマートフォンのモーションセンシング機能を利用した「道路パトロール支援サービス」の提供を開始しています。

これらのサービスについては、社会インフラ整備の専門家の先進的な知見を取り入れ、道路整備・管理事業者、輸送事業者と迅速、かつ密接に連携を取ることが、より効果的なサービス提供につながるため、新会社、富士通交通・道路データサービスを設立し、2020年度に売上100億円を目指すとしています。

商用車データ分析サービスの新規サービス 《2015年度下期 提供開始予定》は次の通りです。

定点モニタリングデータサービスを始めます。これは、 列島5断面(東北・関東・近畿・本四架橋・関門海峡)の経路・OD分析(注2)を行い、主要路線の交通量と発着地分布を地図上で可視化して提供するものです。そして、道の駅利用分析データサービスがあります。 道の駅利用頻度、滞在時間などを地図上にマッピングして提供します。さらに、ヒヤリ・ハット箇所のデータ分析サービスです。 交差点での進行方向の分類や、経路、走行時間などの詳細情報を提供します。


道路データ分析サービスの新規サービス 《2015年10月 提供開始予定》は次の通りです。動画連携と言って、 点検地点で撮影した路面の映像を、地図上で舗装簡易診断とともに表示します。汎用地点登録では 地図上にガードレールやマンホールなどの道路構造物の位置情報や画像を登録できます。補修計画シミュレーションでは 本サービスで算出される劣化情報指数、重要度ランク(注3)、および交通量(注4)から補修優先度を分析し、補修計画の作成を支援します。

注1 プローブデータ:
GPSを搭載した自動車から得られる移動軌跡情報で、自動車が移動した緯度経度・車両 ID・時刻などの情報。
注2 経路・OD分析:
商用車の出発地(Origin)と目的地(Destination)の間の経路の分析。
注3 重要度ランク:
利用者がランクとして定義する。
注4 交通量:
国土交通省が概ね5年に1回行う、全国の道路と道路利用実態の調査(道路交通センサス)の情報、またはそれに準ずる情報を交通量として利用。