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日立、中国で製造業向けに調達物流サービスを提供
日立製作所と同社の中国現地法人である日立(中国)有限公司は3月30日、4月1日付でスマートロジスティクスサービス事業推進部を設立し、中国で「製造業向けグローバル調達ロジスティクスサービス」の提供を開始すると発表しました。2018年度までに累計700億円の売り上げを目指すとしています。

新設するスマートロジスティクスサービス事業推進部には、日立のコンサルティング部門やIT部門に加え、日立ハイテクノロジーズと日立物流の中国現地法人にある営業機能の一部が集約されます。サプライチェーン全体の中で主に調達や物流の領域を対象に顧客の経営課題を共有、明確化するといった上流コンサルティングからITサービスや調達代行、物流アウトソーシング(3rd Party Logistics:3PL)までをワンストップで提供します。

新たに提供開始となる製造業向けグローバル調達ロジスティクスサービスは、日立グループのコスト構造改革「Hitachi Smart Transformation Project(スマトラ)」で推進しているグローバル調達改革やグローバルロジスティクス改革の基盤をベースに事業化したもので、顧客への上流コンサルティングを通じて、主に以下の3つのサービスに基づいてメニューを組み合わせて提供するとしています。

調達サービス:日立ハイテクの持つ商社機能で材料調達業務や生産拠点、その近郊倉庫での在庫管理、“VMIオペレーション”、海外からの輸入調達業務などの調達サービスを提供する。VMI(Vendor Managed Inventory)はベンダー主導型の在庫管理手法で、材料供給業者が納入先企業の資材や部品材料を所有し管理する。売掛債権を買い取って、その債権を回収する金融サービスであるファクタリングなども含めたサービス提供するそうです。

調達EDI(電子データ交換)サービス:日立ビジネスメディアサービス「TWX-21」で調達業務を電子化する。TWX-21は、約5万5000社のグローバル利用ユーザーへ提供実績のあるクラウドサービスで、生産拠点とサプライヤーをエンドトゥエンドでグローバル接続できるそうです。このサービスでは、サプライチェーンの見える化や需給調整機能なども提供するとしています。

物流サービス:日立物流の持つグローバル物流ネットワーク(2014年9月末時点では中国地域151拠点を含む世界770拠点)を活用して国際物流では、海上や航空を駆使した“輸出入倉庫集約・混載輸送サービス(Gate Way Plat Form:GWPF)”での共同輸送を提供する。国内物流では、各拠点のさまざまな物流センターの活用に加え、物流業者が複数の部品メーカーを回って部品などを集荷する調達物流の手法である“ミルクラン輸送”、ジャストインタイム(JIT)納入などを組み合わせることで高付加価値な3PLを提供し、顧客にとってシームレスな物流サービスを提案するとのことです。