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年頭所感ー一般社団法人 兵庫県トラック協会 会長 福永 征秀

「年頭のご挨拶」


一般社団法人 兵庫県トラック協会 会長 福永 征秀

新年明けましておめでとうございます。
平成27年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

会員事業者の皆様はじめ関係各位におかれましては、お健やかに新年をお迎えになられたことと、心からお慶び申し上げます。

さて、昨年は、2月にソチオリンピックが開催され、日本選手団の活躍に沸きました。6月には、サッカーワールドカップブラジル大会が開催され、惜しくも一次リーグ敗退となりましたが、地元兵庫県出身の岡崎選手や香川選手が活躍し、スポーツ界は大いに賑わいました。また、プロ野球では、阪神タイガースが9年振りに日本シリーズ進出を果たし、関西経済を大いに盛り上げるなど、明るい話題が続きました。

一方で、昨年の我が国の経済は、経済政策「アベノミクス」によって、円安による輸出の持ち直し、株価の上昇等による消費者マインドの改善が見られる中で、大企業を中心に企業収益の改善が見られる等、穏やかながら回復の兆しが見られました。しかしながら、一方では、消費税が5パーセントから8パーセントに増税され、国民の暮らしと生活に大きな影響を与え、消費行動が変わる大きな一年でありました。また、円安による輸入品とりわけ原油の高止まりや生産部門の海外逃避が続き、私ども中小零細事業者には経済回復が実感できない年でもありました。

私どもトラック運送業界におきましては、1年を通して「燃料高騰対策」に追われた年でもありました。近年の株高・円安基調、中東情勢等の影響で燃料価格が高騰、高止まりしたことから、トラック運送事業者のコスト負担増を招き、経営を圧迫し続けました。このため、昨年8月から業界を挙げて「燃料価格高騰に苦しむトラック運送業界に係る全国一斉署名活動」を展開し、全国から207万人の署名が集まり、我が兵庫県トラック協会におきましても目標数の41,000人を大幅に超える55,766人の署名が集まったもので業界の結束力を実感したところでありました。

さらに、燃料高騰に加え、規制緩和による新規参入者の増加等による運賃料金の下落など、経営環境が悪化する中で、「安全対策」や「環境対策」などに係るコスト負担の増加などにより、非常に厳しい経営環境に置かれ続けており、多くの事業者が疲弊し、業界全体が深刻な経営危機に直面しています。そのような中、私どもは、協会を挙げて、契約の書面化、原価管理に基づく適正運賃の収受を進めていく必要があります。

昨年末に行われた衆議院選では、自由民主党と公明党が政権を継続することとなりました。政権与党に対しては、過去の轍を踏まず、新たな視点で我が国経済の立て直しをされるものと期待しておりますが、政権に対して、燃料高騰対策、中小企業対策を強く要請していかなければなりません。

また、兵庫県に対しては、運輸事業振興助成交付金の全額交付について、引き続き強く要請していかなければなりません。

このような厳しい中においても、私どもは、我が国の産業活動や国民のくらしを支える国内物流に不可欠な公的基幹産業であることを改めて自覚し、社会と共生し、その役割を果たしていくことを最重点課題として、荷主や消費者から信頼される業界づくりのため、「地方貨物自動車運送適正化実施機関」を通じ、適正な運行管理、労務管理の指導、貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)の推進などの『適正化事業の推進』、「トラック事業における総合安全プラン2009」に基づく諸対策の推進、交通安全思想の啓発やドライブレコーダ等の関連機器導入促進などの『安全対策』、地球環境への負荷の削減を図るため、低公害車両の導入支援やエコドライブの普及促進などの『環境対策』に更に取り組んでまいります。
また、災害時緊急輸送対策や中小企業近代化対策も積極的に進めてまいります。

当協会は、4月に一般社団法人移行2年目を迎えます。
私どもは会員の皆様と共に、現在、トラック運送業界が抱える多くの課題に着実に取り組み、将来にわたる運送業界の発展のため、一つずつ確実に解決し、社会から信任される協会づくりを業界を挙げて進めたいと存じます。
そのためには、私どもが英知を結集し、一致団結することは勿論、政治的な働きかけも視座に据えて、課題の解決に向けた行動を起こしてまいりたいと考えています。
つきましては、会員の皆様をはじめ、関係各位の一層のご支援、ご指導とご理解を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆々様のご健康、ご多幸を心から祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。