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兵ト協 緊急事故防止大会を開催
国土交通省が策定した「事業用自動車総合安全プラン2009」の平成20年より10年間で人身事故件数の半減、飲酒ゼロの目標達成に向け、兵庫県トラック協会(福永征秀会長)は11月18日、兵庫県トラック総合で「緊急事故防止大会」を開催、経営者・管理者・ドライバーが三位一体となり(1)左右折時の安全確認 (2)車間距離確保と制限速度遵守 (3)健康管理と漫然運転の防止―の徹底、早めのライト点灯など交通事故ゼロに鋭意取り組む大会宣言を満場一致で採択し事故防止を誓った。
福永会長は主催者挨拶で、事業用トラックの交通事故人身件数は目標に達しているものの、死者数は増えている状況です。これから輸送繁忙期を迎えて、事故の増加が予想され、本日の研修を事業に生かして事故防止に一層努めて頂きたい」と呼び掛けた。

来賓の小林久詩・兵庫陸運部長は「2009総合安全プランは今年、中間年で取り組みの見直しの年。死者数は目標に達していない現状です。飲酒もまだまだで兵庫県下においては厳しい状況です。一般的な事故傾向としては、トラックの場合、直進(衝突)が半数。事故は3分の1が重大事故で死者は80%と占める居眠り、脇見等で過労が原因とみられる。また各社において事故の特徴を把握して優先順位を決め、現場と共防止策を確実に実施して頂きたい」と要望した。

中村茂樹・兵庫県警交通企画課長は「10月中旬以降から死亡事故が多発している。昨日、死亡事故多発警告を発令したところ。貨物が主たる当事者となった。本年10月末までの件数は921件(前年比マイナス90件)、死者11名(3名増)です。特に夕暮れ時の事故が多発。年末に向けて余韻のある運行計画をたてて下さい。精度を上げた効果ある帽子策を行い職域、地域で地道な事故防止を推測して安全、快適な交通社会の実現をめざしてほしい」と挨拶。

講演は、後藤武司・兵庫県警高速道路交通警察隊長補佐から「交通事故防止のための運行管理」について、下谷富雄・関西交通経済研究センター主任研究員から「事故防止の取組、事業用自動車総合安全プラン2009」について行われた。
後藤氏は「高速道で事故状況、漫然運転防止を述べて特に事故が発生した場合は『(1)一番に三角板の表示 (2)ガードレール側に避難 (3)110番・119番する―の順で行動をお願いしたい。後方から追突事故が多い」としてモニターで解説した。
下谷氏はグリーンナンバーの全国、近畿の死者・人身事故推移、同類型、分析など示して「近畿ではトラック事故で大阪、兵庫、京都の3府県が88%を占める100台当たり人身では兵庫が高い」と指摘した。トラック事故は追突が48%と半数を占める、居眠り、脇見等過労など健康管理の対応を求めた。
第2部のパネルディスカッションは藤島寛・甲南女子大学人間科学部教授がコーディネーターを務め、パネラーは前原幸喜(前原運送(株)社長)、入江茂樹((株)東伸産業常務)、河田勝幸(龍野運送(株)社長)の3氏で各氏から事例発表があった。
前原氏は、ドラレコ導入によるハード面での防止対策や目標設置によるチェック実践などの取組を、入江氏は、ベーシックな取組やドライバー参加型の安全輸送で特に休憩時間等過労防止の取組を述べた。また河田氏は人間管理が基本として、指導者を育て、安全意識の教育と管理者、ドライバーへの精神的支援を説いた。
まとめで藤島氏は、まとめで多忙期の事故防止対策と要点として(1)ハザード(危険箇所)をなくす(労働環境からなくす) (2)ヒューマンエラーを防ぐ。コミュニケーションでダブルチェックが重要と指摘した。

大会宣言を月城誠一・交通対策委員長、加賀澤一・青年部協議会長が発表した。