自動車ニュース
日本のカーシェアリングと駐車場運営 (1/3)
カーシェアリングの現状
今、カーシェアリングサービスの会員数は、1ヶ月に約5000人のペースで増えており、トータルで9万人を超えた。当社では2009年5月からカーシェアリング事業を始め、2010年7月までの約1年間で1万人に入会頂いている。
最初の1年間で入会者数が1万人だったのに対し、現在は2ヶ月で1万人に入会して頂いているのが実情だ。
 車両の台数と会員数はある程度比例しており、今後はもっと早いペースで増えていくと予想される。しかし我々は、会員数の目標を持っていない。あくまでも「車一台ごとの適正な稼働を保つために、必要な会員数を集める」というスタンスで事業展開している。

 2002年以降の日本のカーシェアリング市場における会員数と車両数だが、2009年、2010年あたりから急激に増加した。カーシェアリング運営会社の参入や巷での話題、メディアで取り上げられたことなども相まって、急速に市場が伸びている。しかし、現状では、国内のカーシェアリングビジネスで利益が出ている会社はほとんど無いと思われる。我々も赤字の状態だ。だが、順調に会員数が拡大して、車の平均稼働率が上がれば、収益的にも改善してくる。当社では今後、2013年の10月期から、カーシェアリング事業で収益を確保する計画を立てている。

 世界的に見ると、カーシェアリングに関して日本は遅れている。最も早い1987年に始まったスイスでは、現在、2,350台の車があり、会員数は93,700人を数える。
 カーシェアリングが最も進んでいるのはアメリカで、2011年時点の車両数は8020台、直近のデータでは9,000台を超えたと言われている。特にアメリカには、カーシェアリング大手の「ジップカー」という専業の運営会社があるが、今年、ナスダックに上場した。事業的には まだ通期赤字の状態なものの、今年の第一四半期で黒字が出る状況まで来ているようだ。同社はアメリカ、カナダ、イギリスで事業を展開しており、総台数で9,000台を運用する世界最大のカーシェアリング会社。
 日本では、他社が2002年から事業を開始した。今のペースだと、台数的にアメリカを超え、日本が一番になる勢いで推移している。カーシェアリングは、アメリカよりも日本にマッチすると感じる。近い将来、日本が台数、会員数ともに世界でトップになるのではないだろうか。