自動車ニュース
近畿運輸局自動車技術安全部長、久保田秀暢氏に聞く (2/2)
 ―7月15日のAPEV関西フォーラムの感想は?
 どこで、どういう繋がりがあるのか。ピンとこられていない人あるかと思いますが、これからですね。
 ガイドラインに沿って車を改造すれば登録するのには近道です。安全の確保からみても、最低限の安全は守れるだろうと思います。
 電気自動車はこれから増える一方です。
 大阪は中小企業が多く“みんなで集まって何かを作ろうという機会”がないと思います。そういう意味で、今回のシンポジウムを何回か開催すると、どうやって作ればいいのか分からない人にとってきっかけになると思います。また、自治体のEVに関する取組がビジネスのヒントになったりすると思います。
 ―海外ではどうですか。
 個人的な感想ですが、海外のモーターショーでは電気自動車は2年前から多く出展するようになり全力でアピールしていましたが、最近ではどこも当然のように電気自動車を展示するようになりました。
 電気自動車が当たり前のものになってきています。
 電気自動車を作ることが、新車のメーカーにとって、ベンチャー的ではなく生産の将来ビジョンの一つとして当たり前になっています。そういう時代に入ってきています。
 そうなると内燃機関のクルマから改造して電気自動車を作るのは、少しずつ認知されやすくなるでしょう。
 ―改造電気自動車の安全については。
 ある一定以上のレベルのものを作製しないといけないというのは大事です。安全じゃないものが出ると、それは電気自動車全体が問題視されかねないですから。
 ―前職の自動車基準認証国際化研究センタージュネーブ事務所ではどんな仕事をされていたのですか。
 ジュネーブには国連の欧州経済委員会があり、その中に自動車の基準調和の為のフォーラム(WP29)があります。そこで、安全や環境の基準を議論しています。その会議が年15回あり、国際基準を作る上での日本の意見を述べたり、そこで議論されたことを日本に報告したりしていました。
 ―今までで一番印象深い仕事は?
 平成11年4月〜平成14年7月まで、当時の自動車交通局の技術企画課におり、独立検査法人の設立を経験しました。利便性や検査の質の向上が求められる一方、国から検査法人へ移られる方の雇用確保などに携わりました。良い勉強になりました。あれから10年が経ちましたので、どのように現場で仕事をされているのかじっくり見ながら、これからどう自動車技術安全行政を行っていけば良いのか考えていきたいです。
 ―これからの自動車整備業をどう思われますか。
 私見ですが、07年に高齢者の割合が20%を超え、今までは右肩上がりを前提にした構造を変えていかなければならないのではと思います。
 整備事業も全体的にみると質の変革をしなければいけないと思います。
 このままいけば高齢化社会などに伴い、全体的としてみれば、横ばい又は右肩下がりになってくると思います。
 そういった中で、どうやって自動車整備事業をやっていくのか。電気自動車であったり、スキャンツールであったり、全体のパイそのものが同じか減少していくなかでどうやって新しいクルマや整備をキャッチアップしていくのか。難しいところです。
 ―就任にあたっての抱負は。
 まじめに頑張っている事業者さんの為に我々がしなければならないことは、不正を排除することです。いかに『安かろう、悪かろう』を排除していくのか。これが行政の仕事だと考えています。一番の大きな仕事です。
 ―関西勤務は初めてとのことですが。
 関西弁が飛び交っているのが楽しい。関東でも関西弁を話していたので。関西弁はどこまでが本当なのか分からないのが楽しい。
 ―休日はどう過ごされていますか。
 スイスにいる時は子供と一緒にハイキングをしていました。六甲山にハイキングをしたいですね。クラシックのコンサートに行くのも好きなので楽しみにしています。
 千葉県から単身赴任で中一の娘さんと小5の男の子がいる。今は実家の能勢町から通っている。京都大学では資源工学科で流体力学を学んでいた。