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100トン天井クレーンを配備した重量物倉庫を建設―大海運輸 (2/2)
神戸港はコンテナの取扱量が年々減少しているといわれるがポジショニングの空バン輸送量を引くと、輸出と輸入のバランスが非常に良くとれた港であり、大阪港よりも横浜港と同様に輸出に適した港だ。西日本に重厚長大を特意とするメーカーが集っており、新興国の発展とともにプラントや原発など国際インフラの需要がますます高まっている。また、これまで重機は現地まで部品を輸送し組み立てる方法が主流だったが、近年では日本国内で組み立て輸送することが増えている。しかし、重厚長大なものを収容できる倉庫が日本にはなく、屋内での保管が必要とされるものでも雨ざらしの状態で、港で輸送を待っている状況で、重機の輸出入をワンストップで行うサービスの需要が高まっていた。同社のように天井吊り100トンクレーンを配備した大型の重機物倉庫で、梱包から船舶の荷役を一貫して行える施設の登場をメーカーが待ちわびていた。


重田芳博社長は「弊社のような中小の独立系企業が不況と規制緩和の競争の中で生き残るためには、大手が出来ない独立系の中小企業だからこそ出来る多角的事業で他と差別化を図ることが大切だと考えました。グローバル経済では水が高い所から低い所へ流れるように、モノも価格の高いところから安いところへ流れます。それに逆行することは難しいことです。私が選んだ方法は、その流れに合わせた方法なのです。また、特別なことを行ったわけでもなく、おはぎを作る時にきな粉と砂糖と少しの塩を混ぜるとおいしくなるように、既存のものを上手に併せただけなのです。
  経営者は時と場合に合わせて、攻め4割、守り6割といったように攻めと守りのバランス感覚を調整できることが大切だと思います。攻めが強い性格のものが成功する経営者に向いているのだと思います。これからの日本経済において『攻めのリスクよりも守りのリスクの方が高い』ともいえると思います」と重量物屋内保管倉庫・梱包工場の施設を建設するに当たっての姿勢と経緯を語った。