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運輸安全マネジメントシンポジウム2019開催―近畿運輸局 (1/2)
「高齢者や女性など潜在的労働力に目を向けることが必要」(宇佐川氏)

近畿運輸局(八木一夫局長)は、2月21日、大阪市城東区のクレオ大阪東ホールで「運輸安全マネジメントシンポジウム2019〜人材不足に起因する安全への向上策について〜」を開催した。

開会挨拶で八木局長は「働き手となる弱年層の少子化といった近年の情勢において、交通業界全体で人材不足やそれに伴って発生する社員の高齢化や施設の老朽化が問題となっている。働き方改革など、人材確保に向けた取り組みを今後は積極的に実施していく」と語った。

1部では基調講演として「平成29年改訂ガイドラインにおける人材不足について」をテーマに木下典男氏(国土交通省大臣官房 運輸安全監理官付 次席運輸安全調査官)が登壇。木下氏はガイドラインの改訂概要について「人材不足とそれに起因する課題の重要性を経営トップが認識しておくことや、トップだけでなく管理職も同様の認識を持つことがガイドラインに追加された」と述べた。人材不足はモチベーションの低下などを招き、経営悪化につながることから、運送事業者の人材不足への対応として個人に合わせた働きやすい環境づくりや路線バスでの郵便、宅配便輸送といったドライバーのマルチタスク化、高齢社員による専任教育制度など、多様な取り組みを紹介した。一方で、高齢者雇用については、「高齢者以外の社員の理解を得ることや専任教育の適性の個人差を考慮することなど課題がある」と指摘した。事業の長期的な観点では、「生産性の向上、事業の縮小、外国人採用といった案を上手く組み合わせていく必要がある」とした。