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台風21号で津波に襲われた 神戸港の甚大被害エリアを見学
神戸運輸監理部は11月28日、神戸運輸管理部とその業務についての理解を深める目的と、台風21号により甚大被害を受けた六甲アイランドの復旧状況の報告をかねた、神戸港見学会を実施した。

見学ルートは同監理部の交通艇「はるかぜ」に乗船し、川崎重工業(株)神戸工場ー三菱重工業(株)神戸造船所ー神戸第1防波堤・東灯台ーポートアイランド南東部ー六甲アイランド南東部ー六甲アイランド南東ー六甲Fターミナルー摩耶埠頭ー新港突堤の順に、海から神戸港を右回りにて一周。台風21号による被害がとりわけ大きかった六甲アイランドでは、コンテナや自動車の流出の他、クレーンをはじめとする荷役機械の倒壊・損傷、トレーラーの横転、電気系統の故障等が報告されたものの、10月から徐々に復旧が進み、11月28日現在ではすべての航路受け入れを再開している(※それ以外の神戸港のコンテナターミナルについては9月10日までに業務を再開中)。

ただし、臨海部分の港湾施設にかぎった話に過ぎず、たとえば同アイランドのPターミナルに拠点を置く株式会社富士テクノトランスは高波を受けたニュージーランド向けの輸出用自動車の残骸が山積みされており、施設1階スペースにあった事務所は閉鎖されたままであり、台風21号が残した爪痕の深さをまざまざとみせつけられた。

神戸運輸監理部によると、台風被害に対する支援として神戸港に関する事業費として国から22億41百万円が計上され、神戸市からは公共埠頭用地や公共上屋等の港湾施設の使用料や賃貸値にかかる賃貸料の減額を受けることが決定。日本港湾協会から1億円未満の荷役機械を買い換える場合に購入金額の5%の補助、その他、近畿地方整備局主導による「大阪湾港湾等における高潮対策検討委員会」の発足も検討されている。

普段は見ることのできない海からの視点で眺望することで、あらためて災害の恐ろしさと災害被害防止に対するさらなる取り組みの必要性を痛感するとともに、国際貿易港の拠点にして一大工業地域としての神戸港のあり方をうかがい知ることができた。