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WILLER TRAINS・丹後王国など、3事業4者が受賞
平成30年度交通関係環境保全優良事業者等表彰式

平成30年度交通関係環境保全優良事業者等表彰式(主催:近畿運輸局、後援: <一財>近畿陸運協会)が9月26日、大阪市の大阪歴史博物館で開かれた。今年度はWILLER TRAINS株式会社/株式会社丹後王国、阪神都市圏公共交通利用促進会議、南海電気鉄道株式会社の3件4者が受賞した。

八木一夫・近畿運輸局長は式典に先立ち、長年当事業の選考委員長として尽力した斎藤峻彦・近畿大学名誉教授が9月に逝去したことへ哀悼の意を表した。また、「今回表彰された取り組みは、モーダルシフトやモビリティマネジメントの推進、全社を挙げた総合的な環境保全活動を通して功績が認められたもの。本日のプログラムを通じ、参加者の環境問題への理解がさらに深まり、環境負荷軽減の取り組みの輪が広がることを大いに期待します」とあいさつした。

記念講演では小谷通泰・神戸大学名誉教授が「人と公共交通を優先したまちづくり」と題し、1960年代に英国で作成された「ブキャナンレポート」や、フランス・ストラスブールの街づくりの事例を紹介し、姫路市駅前の再開発や三宮クロススクエアの整備構想をはじめとした国内の事例についても語った。

WILLER TRAINS/丹後王国は「鉄道事業者と道の駅が連携し、旅客車両の空スペースを利用して行う貨客混載事業」でCO2削減効果や農業振興と地域の活性化が評価された。阪神都市圏公共交通利用促進会議は、「えきバスまっぷ。」の作成を中心とした「阪神都市圏における継続的な公共交通利用促進の取り組み」で受賞した。南海電気鉄道は「南海ビジョン2030」でパリ協定を念頭に置いた大幅なCO2削減目標にグループ全体で取り組んだ、省エネ車両や太陽光発電システムの導入など環境負荷低減への貢献が受賞理由に挙げられた。

最後に、長坂悦敬・甲南大学学長がコーディネーターを務め、記念講演を行った小谷氏をコメンテーター、今回受賞した3件4者をパネリストに迎え、パネルディスカッションを行った。今回受賞した取り組みの立ち上げ時や、継続していく際に苦労した点などについて語った。長坂氏は「トップダウンとボトムアップを織りなして、交通政策を進めていくことが、豊かな地球を守り持続発展させる力になる」とディスカッションを締めくくった。