自動車ニュース
ウエスト神姫 自動運転EVバスの実証実験 (1/3)
ウエスト神姫
地域交通の課題解決へ第一歩
理化学研究所 「SPring-8」で自動運転EVバスの実証実験


5月20日〜23日の4日間、兵庫県の播磨科学公園都市にある理化学研究所の播磨事業所敷地内において、兵庫県、神姫バス、ウエスト神姫、SBドライブが共同で自動運転EVバスの実証実験を行った。当日は往復約1.7kmのコースを、自動運転EVバス「NAVYA ARMA(ナビヤ アルマ)」2台が自動運転レベル3(条件付き自動運転)で走行した。また、遠隔運行管理システム「Dispatcher(ディスパッチャー)」により、走行現場から15km離れたウエスト神姫の相生営業所で2台同時監視が行われた。
実証実験を行った経緯や実用化に向けての課題、自動運転バスにおけるバス事業者の役割について、兵庫県企業庁 次長の伊藤裕文氏とウエスト神姫の代表取締役社長 須和憲和氏、遠隔監視を担当したウエスト神姫 営業課長の正木崇史氏に話を伺った。


自動運転バスの実現には社会の意識改革が必要

――自動運転EVバスの実証実験を実施するに至った経緯を教えてください。
     
伊藤氏:播磨科学公園都市では、平成32年度末に播磨自動車道が全通し、今までの山陽自動車道に加え、新たに中国自動車道とも直結します。これにより、交流人口が増加し、都市内の身近な移動手段がますます求められると想定しています。また、自動運転は、この世界最先端の科学技術都市にふさわしく、導入空間としても4車線道路が整備されていることから、実証実験を実施することとしました。周辺には、公共交通空白地の中山間地域があります。ここで蓄積した技術を活かすことができればとも考えています。


――実証実験の成果はいかがでしたか?

伊藤氏:多くの皆様が自動運転EVバスに乗車し、安全性を実感して頂いたことが一番の成果でした。また、今回の実験は、「実験のための実験」ではなく、日常空間に近い「車や歩行者が自由に行き来する空間における実験」だけに、興味本位でクルマの前に飛び出す人が出るなどハプニング続きでしたが、車両性能や運行管理の面で、多くの課題を発見することができ、有意義なものとなりました。