自動車ニュース
ガイドライン普及促進に向けて (2/2)
平成30年度のトラック地方協議会の取り組みについて、終了するパイロット事業に引き続き、平成30年度はコンサルティング事業を実施するとし、近畿では大阪府と和歌山県での実施を予定。トラック事業における働き方改革の推進に向けた取り組みについて、必要なノウハウの蓄積・横展開を図るとし、平成28〜29年度で実施したパイロット事業の成果や課題をフィードバックするためのガイドラインを平成30年度前半に制定する。兵庫県トラック地方協議会が取り組みたい内容として、運送約款の改正に伴う申請件数が近畿管内において43.0%という状況を背景に、料金収受状況の実態調査の実施があげられた。特に兵庫県は申請比率が26.8%と低調。トラック業者委員からは「兵庫県だけが申請比率が悪いのは反省しなければならない」「荷主との交渉が認識の部分で難航している」「荷主に認めてもらえず、慎重に交渉せざるをえない」との声。荷主や経営団体委員からは「払う側から値上げは言わない」「改正を通知したが徹底はされていない」と発言があった。また、小谷座長はガイドラインの制定について「まとめ方が大事。事例が並ぶだけでなく、改善に取り組みたいと思わせるようなアイデアやチェックリストなど、いかに使えるか。注視していきたい」と述べた。

取引環境・労働時間改善中央議会等の情報提供では生産性向上国民運動推進協議会の第三回開催内容として滋賀県での取り組みが紹介された。実態調査で判明した三つの課題(物流センターの開門時に順番待ち車両が集中し過剰な待ち時間が発生する、荷下ろし後に格納場所シールを貼りそれを待ってシールに従った仕分けを行う、帳票に照らし合わせた数量検品をする)を、荷主・運送業者・着荷主が連携した着荷主における格納場所別の事前仕分け、着荷主が事前仕分けを行った車両用の「優先荷卸場所」を設定、電子タグを活用し検品作業をなくすことで解決。成果として輸送時間を除いたドライバーの労働時間が400分から130分に4時間30分縮減。ドライバーの労働時間短縮とトラック回転率向上があげられた。
行政側委員から「県の最低賃金は兵庫県を含め、各自治体の広報誌に掲載することで周知している。ガイドライン普及のヒントになるのではないか」(村岡幸生・兵庫労働局労働基準部長)、「パイロット事業は区切りとなるが、ガイドライン普及促進に向けて取り組んで行かなければならない。方向性についてまた議論をいただきたい」(栗原弥生・近畿運輸局自動車交通部長)、「ガイドラインをどのように策定し、普及していくかが大きな課題。相談窓口の設置などやれることからやっていきたい」(岡田研二・兵庫陸運部長)と発言があり終了した。