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「にしのみやこども食堂」  家族で囲む食卓のような食堂 (1/3)
「蚊にかまれたからウナ貸して」。「ないからバッテン印でもつけとき」。家庭の中で聞こえてきそうな会話を繰り広げるのは、中学1年生の女の子とこども食堂の学生店長。他にも、「ごはん、すぐ食べる?」「まだいいわ」などの微笑ましい会話が耳に飛び込んでくる。オープンから間もなく、子どもたちが次々と入店し、食堂はほぼ満席に。真っ先にご飯を食べる子、宿題をする子、大学生ボランティアと遊ぶ子など、それぞれが自由な時間を過ごす。

毎週月曜日の17時からオープンする兵庫県西宮市にある「にしのみやこども食堂」は、1日15食限定で6歳から18歳(未就学児・大学生を除く)の子どもが利用できる食堂だ。特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティーの大学生メンバーを中心としたボランティアスタッフで運営されている。

阪神大震災がきっかけで始まった子ども支援
ブレーンヒューマニティーは1994年、家庭教師のバイト派遣を行うために学生が作った団体。1995年の阪神大震災をきっかけに、学校に通えなくなった子どもたちへ無料で勉強を教える活動を始めた。2000年に法人化された後は、生活困窮世帯といわれる家庭の学習支援活動やレクリエーション事業、人材育成の事業を行っている。

こども食堂の店長で関西学大学4回生の田中遼太郎さんは、「ブレーンヒューマニティーでは、今や全国に300カ所あるといわれている子ども食堂が話題になる前から、神戸市灘区や東灘区でこどもに関する支援を行っていました。学習意欲が低い家庭へは思うように支援が行き届かず、歯がゆい思いをしてきました。家庭の学習意欲に関係なく、食を通した支援を届けたいです」と語る。