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近畿2府4県一致団結して課題解決を 近畿トラック協会
一般社団法人近畿トラック協会(辻卓史会長)は6月27日、ANAクラウンプラザホテル神戸において第5回定時総会を開催し、平成28年度事業報告、平成28年度計算書類について、原案どおり承認した。任期満了に伴う役員改選では、副会長の金井清治(京都府トラック協会会長)、龍田潤三(和歌山県トラック協会会長)の両氏が退任し、新たに荒木律也(荒木運送(株))、阪本享三((株)酒本運送)の各氏、監事に堀秀夫(和歌山運送(株))、藤田周士((株)カシックス)の各氏が就任した。
辻会長は冒頭「景気の緩やかな上昇により、貨物量の増加と運賃の上昇につながることを期待している。トラック運送業界は安心・安全を絶対条件として交通事故、労働災害の撲滅、労働力不足への対応、生産性向上のためのIT・AI導入、コンプライアンスの遵守、さらに高速道路料金問題や燃料価格動向、環境対策、そして経営安定のための適正運賃の収受などの数々の課題を抱えている。安倍内閣は働き方改革を今後の成長戦略の柱にしている。6月21日に首相官邸において第2回生産性向上国民運動推進会議が開催され、トラック事業者から2点、生産性向上事例が報告された。事業者と荷主が相互理解のもと、ちょっとした工夫により無駄が省かれ、労働時間が短縮され、大幅な生産性向上に結びついた実例発表に、総理も熱心に聞き入っていた。そして政府として今後とも運送業の人材確保と生産性向上に積極的に取り組んでいく決意を表明された。トラック運送業界は3Kというイメージに加え、最近では「休日少ない」「給料安い」が加わり、5Kとも言われ、若い人が最も入りたがらない業種の1つとされており、現在の作業状況を改善しなければ、事業の拡大どころか事業の継続さえ危ぶまれるという危機感を持つに至っている。最近ではマスコミでもトラック運送業界の厳しい現状を連日のように報じており、一般の理解も深まっている。したがって、今が改革・改善のチャンス。近畿2府4県トラック協会として今後共一致団結して諸課題を解決・緩和し、活力ある業界としてさらに飛躍しなければいけない」と、課題解決に向けた決意を表明した。
来賓祝辞では、若林陽介・近畿運輸局長は「政府は今年3月に開催された働き方改革実現会議において働き方改革実行計画を策定した。トラック分野においてもこれから一層運転者の長時間労働を是正するための環境整備に業界をあげて取り組む必要がある。トラックの運転者の長時間労働の要因の1つとして荷主先での長時間の荷待ちや付帯作業の工程時間が挙げられる。荷主側の理解と協力なくしてはこの長時間労働の抑制や作業の効率化などの生産性を向上させる取り組みを進めるのは難しいと言わざるをえない。また、最近は宅配便に関する問題が報道されている。これまでになく物流業界に関心が集まっている。国交省としては、この機会を逃すことなく、荷主側を巻き込んで長時間労働の抑制や取引環境の改善に取り組んでいく。さらにトラックの運転者の確保も喫緊の課題。物流の出前講座や職場体験の実施、求職者と若手ドライバーの交流会など、若年層・女性の人材確保に向けた取り組みを進めていきたい」と述べた。